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手づくり以外ではまず食べられない まともなジャムの話
カタログ“1999年7月4週”
  前回に続いて、ハチミツの山口さんの話です。
 山口さんのお父さんは近所の人(その人はその技術を公表されていませんでした)がイチゴの交配に蜂を利用しているのではないかと気付き、この技術を全国に広めた人です。その実験畑として始めたイチゴを約21年前に出荷して頂けるようになりました。もちろん今日の無農薬イチゴに到るまでは大変な御努力をお願いしたのです。
オルターのイチゴ狩り風景(1997)
このイチゴが大好評なのはすでに御存知のはずです。さらに、そのイチゴを原料としたイチゴジャムの開発に取り組み、さらに他の果物のジャムまで作られるようになってきたのです。山口さんのイチゴジャムの原料は自家栽培の無農薬イチゴとビート糖(北海道)と山口さんのハチミツだけです。市販のジャムは1kgのイチゴからペクチンやクエン酸を使って全く煮詰めないで、山口さんの3倍もの2kgのジャムに仕上げています。それに対し、山口さんのジャムはイチゴ1kgと砂糖250gで煮詰め、蜂蜜50gを加えて、約700gのジャムに仕上がっているのです。だから悪どい色も、甘ったるさもない、さっぱりとした、イチゴの一粒一粒が見事に残っているジャムになるのです。

◇ 山口さん無農薬(本圃場)イチゴ ◇

すでにシーズンが終わっていますので、次は冬まで楽しみにしてお待ち下さい。
イチゴ作りはお父さんの山口喜一さんの担当です。

【肥料】
しいたけ作りの廃木を原料にした堆肥や油カス・骨粉などでぼかし肥料を自分で作って使われています。

【農薬】
育苗の段階で殺菌剤、殺虫剤を各々1回程度使用しています。これは本圃場へウドンコ病やヨトウ虫を持ち込まないためです。
※本圃場に移植した後は農薬を一切使用していません(育苗の畑と本圃場とは全く別の畑にしてあります)。

イチゴで一番問題とされてきたのは「ウドンコ病」で、イチゴの表面に白く綿ぼうしのように発生するカビです。これが発生すると見栄えが悪くなったり、多くなると枯れることもあるので、一般の農家では3日にあけず殺菌剤を散布しているのです。そのため、台所用の合成洗剤でイチゴを洗うと、その農薬の毒性がさらに約6倍に高まってしまい、そのイチゴを食べた子が吐いてしまうほどなのです。ウドンコ病は人間が食べても何の問題もありません。オルターでは見栄えを気にせずに無農薬で作って頂くことにしています。しかし、このことを知らない会員からのクレームにさらされることもあり、山口さんのところではかつて富士酢の玄米酢や木酢液や時にはイオウ蒸散といろいろ工夫されてきました。今春出荷分からはウドンコ病に弱い「とよのか」を止め、強い品種「さちのか」に換えて、何も使わずにできています。虫に対しては、これまでにいろいろな工夫をされてきましたが、ハウスの下の方を開けるのではなく、上の方を開けるようにして虫の侵入は減りました。今年からはバジルやマリーゴールドなどを混植して、虫が近づかない工夫もされます。

山口さんの無農薬、無添加ジャム
●イチゴジャム:山口さんのイチゴ、ビート糖(北海道)、山口さんの蜂蜜
●ハチミツイチゴジャム:山口さんのイチゴ、山口さんのみかん蜂蜜
●りんごジャム:長野県須田一夫さんの紅玉リンゴ(低農薬)、ビート糖(北海道)、山口さんの蜂蜜
●やまももジャム:徳島県櫛渕町のやまもも(無農薬)、ビート糖(北海道)、山口さんの蜂蜜
●甘夏ジャム:ビート糖(北海道)、山口さんの蜂蜜

山口さんのジャム製造の釜は蒸気使用の2重釜のため、さっと仕上げていますので、風味が損われていません。家庭では原料が酸化したり、砂糖がカラメル化するほど長時間煮ないとなかなかジャムにはなりません。

一般のジャムの問題点
原料:安全性にこだわりのある果物などは使われることはない。安い、くずのようなものが使われる。
ペクチン増量ジャム
果物と砂糖で煮詰めるのではなく、果物を炊いたら、ペクチン(果物の成分ですが、その製造工程の安全性は疑問)やクエン酸を入れて、煮詰めないまま無理矢理固まらせてしまう。さらに着色料、酸化防止剤(空気に触れる表面の色が黒ずまないように)、防カビ剤(開封した後の防腐剤として)、レモン果汁(味付け、TBZやOPPのポストハーベスト農薬汚染)などなど。ひどい場合、果物の使用が0であったり、使っていても極少量というペクチンジャムまである。
ゼラチンジャム
ペクチンの代わりに、ゼラチンを主体に食品添加物で作られたまるで寒天のようなジャム(?)もある。パン屋の店頭で紙容器に入って売られている。

山口さんのローヤルゼリー
以前、山口さんはローヤルゼリーを自家採取されていましたが、現在はあまりの忙しさでお休みされています。ローヤルゼリーは躁鬱病などの自律神経失調症(アセチルコリンを多く含有しているため)、不妊治療や美肌効果(ホルモン効果)、Co照射などの術後の回復(免疫を早く回復)、小児喘息、貧血、高・低血圧、肝臓強化、肩こりなどに副作用もなく効くといわれています。蜂蜜やローヤルゼリーは肌や胃壁からも吸収されますので、食べものを受け付けない拒食症や体力の著しく弱った人、胃潰瘍の治療などにも使われています。その為、以前から山口さんのローヤルゼリーを求める方がたくさんいらっしゃいました。ローヤルゼリーは光や熱に弱いデリケートなもので、山口さんのところでは、蜂蜜と混ぜて取り扱っておられています(ローヤルゼリーは蜂蜜中で比較的安定しています)。市販のローヤルゼリーは安い輸入ものを高く売っており、効果のほども疑問です。その為市販のローヤルゼリーを推めるわけにもいかず、以前からの利用者に対して、同業者のローヤルゼリー(和歌山や香川の養蜂家のもの、山口さんの目にかなった品質のもの、国内のローヤルゼリーの採取の方法はもともとお父さんが始められた方法で、それほど品質に差はありません)を山口さんの蜂蜜に混ぜて、「ハネーロイヤル」として作られているのです。


    ―文責 西川栄郎―


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