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たいへんていねいな加工でおいしいごまを作っています。 「国産」「有機」「栽培期間中無農薬」も実現しています。
◆異物の精選はトップの技術 大阪にある(株)和田萬商店(本社:大阪市、工場:八尾市)は、ごまを専門的に扱う珍しく貴重な会社です。その加工工程の精選工程では、全部で10以上の機械をたいへん丁寧に通し、最後は土やほこりなどの異物がないよう職人の目でしっかりチェックして、ごまだけにします。
◆社長自ら、つきっきりで焙煎 また煎り工程でも、焙煎歴40年以上の四代目・和田悦治社長自らつきっきりで焙煎します。ごまは自然の農作物ですから、当然品質が安定しているわけではありません。その日に焙煎するごまの粒の大きさ、実の充実具合から天気、湿気、社長自身の体調まで考えて火の入れ具合を調整します。 精選工程の最後で、アルカリイオン水を含ませたごまに釜で火を入れることにより、ごま粒の中心まで行き渡った水分が熱で蒸発するのを計算に入れ、ごまを中からしっかり焙煎します。だから和田萬のごまに生焼けはありません。まさに秘伝の技です。
◆つきつぶしごまのコク 「すりごま」にも秘密があります。すりつぶさず、餅つきのように臼と杵でつきつぶしています。圧力をかけることでコクのあるごま油が逃げず、実の部分とブレンドされてまろやかなコクが出ます。したがって「すりごま」ではなく、本当は「つきつぶしごま」なのです。 ペーストは石臼で丁寧につぶし続けることで出来上がります。石臼に5回以上通し、手間はかかりますが、よりまったりとコクのあるペーストに仕上がっています。 和田萬商店の八尾工場には、このようにおいしいごまに加工するための工夫や装置がたくさんあります。ごま一筋の会社と自負するだけの技術です。
◆放射能にも注意 国産ごまの復活にも尽力し、栽培期間中無農薬の栽培にも取り組んできました。今回、島根県の有機栽培の生産者と協力し、国産有機のごまも実現しました。 オルターとしては「有機」「栽培期間中無農薬」「国産」に限定して取り扱っています。また「国産」でも3.11福島原発事故による汚染の心配のない県を限定して扱います。
◆130年の歴史 (株)和田萬商店の創業は明治16年です。じつに130年の歴史がある、ごま製造加工の専門店です。創業当時から現在の大阪市天満にあります。この地域は昆布、鰹節、海苔、寒天、高野豆腐までありとあらゆる乾物が集積し、その乾物問屋が並んでいました。 和田萬商店も当初はそういった乾物を総合的に扱っていましたが、三代目・栄三社長のとき「今後は健康を重視した食べものが注目される時代がくる」と、とくにごまに目をつけ、ごま専業となりました。
◆香り高い高品質のごま 現四代目の悦治社長は当時、生の状態での販売が主流だったごまに、直火で深く焙煎する独自の技術を苦心の末あみだし、香り高い高品質のごまの販売を始めました。機械化・オートメーション化が進む現在でも、焙煎機につきっきりで社長自ら焙煎するスタイルは変えず、その日その日のコンディションが違っていても、安定した品質のおいしいごまを作り続けているのです。信条は「機械まかせではおいしいごまは作れない」です。
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■有機ごま(金ごま) ●生産者・・・月山茂夫(島根県邑智郡邑南町) ●栽培方法 種子・・・自家採種 肥料・・・鶏糞(JA広島市)
■国産、栽培期間中農薬不使用 ●産地 白ごま・・・鹿児島県(喜界島、薩摩半島) 黒ごま・・・長崎県 金ごま・・・沖縄県、鹿児島県、長崎県
種子は自家採種しています。
■製造方法 畑で収穫、乾燥、異物除去、袋詰めしたごまを、JAS法に基づく「有機農産物加工食品業者」の認定を受けた(株)和田萬商店の工場で加工。
@低温貯蔵(20℃) A原料投入タンク B振動コンベアで粗い夾雑物を除去(マグネット使用) C6段階ふるい機で、土・ほこりレベルの異物除去(マグネット使用) D風力選別機で軽いゴミ除去 Eマグネットコンベア F比重選別機で石、砂除去 G丸網式精選機で厚み識別 Hディスクセパレーターで長さ識別 I洗浄機(プロぺラ水洗)でやさしく水洗い 塩素臭を避けるため浄水器の水を使用 J脱水機 K焙煎機、流動遠赤外線方式 煎りムラができにくいよう熱風使用 6kgずつの少量ロット生産可能 L冷却機 M仕上げ風力選別機(マグネット使用) N比重選別機(マグネット使用) O丸網ふるい選別機 P金属探知機 Q色彩選別機 R振動コンベア S磁石ボックス 21計量
ごまの選別工程は正確には38工程あり、ゴマ葉くず、ほこり、砂、土、虫などの異物除去がじつに大変な農産物です。この難しい工程を和田萬の最新鋭の工場が担当します。風味を大切にするため、加工は出荷直前に行ないます。食品添加物の使用はありません。
■煎りごまの特徴 左記は「煎りごま」の製造工程です。「洗いごま」は□の焙煎と□の冷却を行なっていない生のゴマなので、発芽抑制因子(アブシジン酸)を失活させ安全に食べるためには各家庭で自分で煎る必要があります。 和田萬商店では、煎りごまは破裂寸前まで熱を入れてふくらませています。ごまの一粒一粒に芯まで熱を通しているのです。このような丁寧な加工は、大量生産工場ではできません。少量ロット生産だからこそ煎りムラを防ぐことが可能な技術です。その結果、サクサク感、パリパリ感、そしてごま特有の高い香り、香ばしさが楽しめます。市販のような生臭さはまったくありません。
■ごまの使い方 洗いごまを自分で煎るのが香りが良くておすすめ。それが面倒な人は煎りごまから。 煎りごまは、使用時に「する」ことで、さらに濃厚な味と香りが楽しめます。料理の直前にすりごまにして、ごはん、野菜、味噌汁、ラーメン、うどん、豆腐などに。ごまのすり方の秘伝は「最初つぶしてから後半にする」というものです。香りを出すためにはするよりつぶせ、です。
■ごまの種類と食べ方 白ごまは油分約55%で濃厚な甘み、黒ごまは油分約50%で素朴な味わい、金ごまは油分約55%で香り華やか。ごまの皮は頑丈なので、よく噛んで噛み砕いて食べるのが、しっかり栄養を消化吸収できるこつです。
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拙著「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」P35参照。
―文責 西川榮郎(オルター代表)―
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