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天然醸造 がんばっています  丸中醤油蔵だより No.9より
オルター通信990号記事
丸中醤油株式会社 代表取締役 中居真和


 連日暑い日が続き、毎年毎年梅雨が遅れこの気候の変化に私ども蔵元でも今まで以上に天候に神経をとがらせ、気持ちも落ち着かない状況が続いています。
 冒頭にこんな話で驚かれたでしょうが毎回異常気象のことばかり話題にしてますが、ここ数年「今年も梅雨は本当にくるんだろーか?」と毎日毎日ひやひやしながら天を仰ぎ、諸味には最高の諸味になるよう声をかけながら祈るような日々でございました。おかげさまで何とか今年も梅雨が訪れてくれて諸味の酵母菌も元気に動いて、ほっと肩の荷が少しおりた気持ちです。
 私どもの天然の自然発酵にとって梅雨は、とても大切な季節です。みなさんの嫌がるジメーとしたこの時期に醸造菌(酵母菌など)が少しづつ動きだし、発酵し、丸中醤油の香りや味の基礎をつくります。それから夏になり気温が上がるともっと盛んに活動し、秋を迎え冬へと四季を過ごします。三年という長い熟成期間を経てそれがようやく、かぐわしい香り、完熟され独特の奥深い味になり丸中醤油が完成されるのです。他社さんのように温度や湿度を管理できる設備の中で作りだすものとは違って、昔からの蔵での伝承された製法による天然醸造で造るといのは本当に大変なことです。諸味育ての中で今一番気がかりなことは
【これから日本に四季がなくなったり、梅雨がなくなったりしないか】
【以前と変わらぬ味を造り出せるか】という事です。自分の力では補えない事ですから考えると不安でたまりません。風土が丸中醤油の味を左右する以上、私たちは知恵を絞り地球温暖化と戦っていかなければならないと切に感じます。
 あと異常気象というと農家の方々も本当に大変みたいで今年も大豆や小麦が心配でなりません。昨年は小麦が不作で原料を確保するのに本当に苦労しました。私どもの小麦の契約農家の一人、愛知県の木曽川の菱川さんの話では、最近の天気は雨が降らないときは降らないし降るときは滝のような雨がふり、三回種子を蒔いたが、雨で昨年は種子を流してしまって三分の一しか収穫できんかった。とおっしやっていましたが今年はこんな話が聞かれないといいのにと言う気持ちでいっぱいです。
 丸中醤油は電気がとまっても醤油を出すことができるそんな時代に取り残されたような醤油屋です。だからこそ丸中醤油の味が生まれ、お客様から美味しい懐かしい味‥これが本物の醤油や、と言って頂いています。お客さんからやっと探しだした味などと喜んで頂くと、それまでの苦労がいっぺんに飛んでしまいます。これからも頑張ってまいりますので何卒宜しくお願い致します。       敬具


*お知らせ* 本年は、サライ・dancyu・ミセスに丸中醤油を掲載頂いていますが、7月末発売AERA別冊(ムック)にて「食の安心安全」テーマにおいて安部司(食品の裏側著書)さん推薦として丸中醤油をご紹介頂くそうです。




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