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オルターの放射能防衛ラインは 1Bq/kg
オルター通信1209号 記事
オルター代表 西川榮郎

 オルターでは、3・11福島原発事故以降、1Bq/kgを防衛ラインと定め、さまざまなデータから食べものに、セシウム134および137による汚染が1Bq/kgを超える可能性がある地域を、「放射能汚染地域」と考え、該当地域で生産されたもの(事故前は除く)に関しては、1Bq/kg以下であることを分析・確認して取り扱う。確認できないものは、カタログには掲載しない。という方針で企画に取り組んでいます。
 不検出と言うデータを得た場合でも、検出限界が1Bq/kgでない場合や、分析値が1Bq/kg以上を少しでも超えた生産物に関しては、従来から顔の見える関係でお付き合いしてきて、生産者のこれまでの充分な努力を承知しており、企画を停止することは忍びないという判断をした場合には、放射能感受性を考慮して、60歳以上の会員に限定したカタログちらしで注文できるようにしています。それとともに、60歳以上会員に限定した品を食べることはできないが、その生産者を応援したい会員の選択を活かすために、100円カンパも組んでいます。
 これらの取組みは消費者とりわけ放射能感受性の高い子どもたちを守ることと、生産者の暮らしを守るということとを同時に叶えるためのものです。
 基準として1Bq/kgを設定した理由は、この基準値であれば安全だと言うのではありません。分析機関の現状では、これより低い測定限界での分析をすることは現実には困難であるという判断からです。 福島原発事故以前の国の放射能規制値は370Bq/kgでした。
 この数値は、ICRP(国際放射線防御委員会)の1万人シーベルトで、100人がガンで死ぬというデータを根拠にしていました。しかし、現在、ICRPは100人を500人と改定していますので、370Bq/kgは、その1/5すなわち74Bq/kgに改定されるべきです。また、このICRPの500人というのは、現実の被害からみて甘い数値だと考えられます。
 オルターでは、広島・長崎の低線量被曝を詳細に研究したアメリカの学者ジョン・W・ゴフマン博士の1万人シーベルト4000人を採用しています。この数値のほうが、実際の外部被曝のデータとよく合ったものだと判断するからです。このゴフマンの推計値をあてはめると、政府の規制値は74Bq/kgをさらに1/8にして、9.25Bq/kgにすべきだということになります。これに、2歳以下の子どもの感受性が大人の100倍であるということを考慮すると、子どもに関しては、0.0925Bq/kgであるべきだ、ということになります。福島原発事故前の日本国内の放射能レベルは、チェルノブイリ事故やそれまでの各国による2万4000発もの核実験による汚染によって、0.15Bq/kg程度となっています。だから、これ以上の上積みは認めることができないというのが、オルターの立場です。
 放射能汚染が事故前よりも上積みされないことを願いますが、3月以降の環境測定値には、すでに福島原発から放出された放射能のごく小さなピークが3回程度確認されています。そして、地球全体に汚染が拡大しています。
 つまり、汚染を少しでも問題にするなら、地球上には私たちの住むところはすでに無くなっていると言うことなのです。現実的な判断として、対策を打つことが可能で、その必要があると考える1Bq/kgを超える可能性のある以下の各県を放射能汚染の可能性のある地区だと考えています。

福島、茨城、宮城、栃木、群馬、岩手(南部)、山形、
埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、静岡、
長野(一部)、愛知(東部)

 なお、これらの地域でも、汚染は斑状(まだら)であり、必ずしもすべての場所が同様に汚染されているわけではありません。当該地区および周辺の生産者には、ご自身を風評被害から守るためにも、生産物に関して、検出限界1Bq/kgでの分析を要請してきました(別紙データ)。また、オルターでも近く分析センターを設立する計画を進めています。これにより、検査体制を強化して、より詳しく、より多くの検体を分析することが可能となります。
 オルターは、このようにして、1Bq/kgの防衛ラインを死守する取組みを続けています。


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