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【原子力資料情報室(CNIC)ニュース記事2011/3/17より転載】
モニタリングのデータが公表されるようになった。一時、公開が止められていたとの報道もあった。ただ、公開と同時に添付されている被ばくの影響に関する説明は誤解を招くものだ。また、報道で専門家が「直ちに人体に影響を与えるものでない」と説明することに憤りを感じる。 そこで、放射線被ばくの考え方を整理してみた。 被ばく線量の推定には、本来ならどのような放射能がどれだけ放出されたのかという基礎的なデータが必要だが、これが公開されていない。そこで、今の段階では、かなり粗いものであっても、各個人が自分の被ばくを推測して、判断する目安を得ることは有益だろう。
@単純に被ばくを計算する 例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が測定されたと仮定しよう。 この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、とりあえず被ばく線量が出てくる。24時間では480マイクロシーベルトとなる(20×24=480)
A内部被ばくを計算しよう 人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。この線量を計算することは難しいが無視することはできない。初めに書いたようにどの放射能がどれくらい出ているか分からないからだ。ここでは大まかに2倍とする。そうすると、24時間で960マイクロシーベルトとなる(480×2=960)
B乳幼児や子供は放射線への感受性が高い 乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考えられている。ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になるとの評価もある)。 乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960×2=1920)。
C被ばくの影響を考えよう 専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは急性障害を与える量250ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)のことを意味しているようだ。あるいは、人によっては100ミリシーベルトの被ばくのことを意味しているように思われる。これを基準に考えることは高い被ばくを容認することになる。 微量は被ばくでも発がんのリスクを高める。発がんのリスクは被ばくの量に応じて高くなる。例えば、国際放射線防護委員会は1ミリシーベルトの被ばくで、将来10,000人に1人のガン発生が考えられるとしている。この評価には、倍くらい厳しく見るべきとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。
D被ばくは極力避ける方が望ましい。が、少しの被ばくで大慌てする必要もない。 被ばくを低く抑えるには、@離れる、A時間を短くする、B身に付かない(吸入しない)ようにすることが原則。 モニターの値が高い時にはできるだけ外出を控える、外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策 が考えられる。屋内は屋外に比べて、被ばくは2〜3倍くらい少なくなる。 モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震への対応」で得ることができる。 http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/index.html
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