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甲州伝統の手仕上げ印章
カタログ2016年2月2週号
人生で一本のものにふさわしく、丹精込めて。
◆全国一の産地
 水晶加工の高度な技術とともに発展した山梨県の印章は、産地として全国一を誇っています。なかでも市川三郷町は日本一の印章のふるさとといわれています。その伝統工芸士(経済産業大臣指定)遠藤 雲山一門は、伝統を守り、手彫り仕上げで一生に一本作る印章にふさわしい丁寧な作り方をしています。
 就職、結婚、成人式など人生の節目のお祝いに、世界に一つだけの印章を贈られてみてはいかがでしょうか。そのときは何気なく貰った物でも、後々、そのありがたさが込み上げてくるものです。

◆オノオレカンバがおすすめ
 山梨の印章業組合が村おこし事業の一環として開発した新しい印材、オノオレカンバ(斧折樺)。オノオレカンバは南アルプスに産する自然木で、寒冷地に生息し、生長が遅く1mm太くなるのに3年はかかり、一般的に木材として使用されるまでには100〜200年程度は必要です。それだけに高密度で、耐久性があることでも知られており、国内最強固木です。算盤の珠としても利用されてきました。
 木材の印材として一般的に知られている柘よりも密度が高く堅いため、摩耗しにくく丈夫で、細やかな彫刻が可能です。「斧折樺」の名前の通り「斧が折れるほど堅い木」です。独特の風合いと手触り、朱肉のノリの良さが特徴です。昔は山梨県産のオノオレカンバがありましたが、現在は原料薄で、他県産を使っています。
 遠藤 雲山一門では、オノオレカンバ以外に印材として本柘植、黒水牛、オランダ水牛、本象牙なども使っています。

◆本柘植
 日本で古くから親しまれている本柘植は緻密性に優れ、硬さと粘りのバランスが良いため、細かい細工を施すには適しています。木目もたいへん美しく、長く使うほど味わい深い色になっていきます。版木、将棋の駒、櫛などにも用いられています。

◆黒水牛
 黒水牛は一本の角から一本の印材しか作れない希少性があります。角の中心部「芯持ち」という部分を使用しています。芯持ちはキメが細かく粘りが強く、耐久性があります。真ん中にある点はキズではなく、芯持ちである証です。ただし個体差があり、点部分が目立つものと、目立たないものもあります。黒水牛は見た目にも美しい艶を帯びた黒色です。長年使い続けることで、さらにその艶が増します。

◆オランダ水牛
 オランダ水牛は天然の飴色と茶褐色のコントラストが美しい印材です。一本一本、その模様は異なります。朱肉の付き具合や、押印性においても非常に優れ、何十年たっても彫り直しができます。

◆本象牙
 本象牙は希少価値が高く、優れた印材として日本人に古くから珍重されてきました。その堅固さは、百年以上の使用に耐える素材です。耐久性、耐摩耗性、気品のある色艶、きめ細かさ、美しさはまさに一生物です。

◆仲間とともに
 遠藤 雲山さんは、二代目です。18歳の時から父、遠藤 景山さんに入門し、彫刻技術を学びました。1989年には厚生労働大臣認定一級印章彫刻士技術を取得。さらに2013年には伝統工芸士を取得しました。
 オルターとしてのお付き合いは2002年、遠藤 景山さんの時代からです。その景山さんは3年前に故人になられました。
 遠藤 雲山一門とは、印の注文が殺到したときに助けてくれる5〜6人の印章仲間です。印章青年部として若い頃から技術を共に学んできました。雲山さんは注文の約半分を彫っていることになります。

◆伝統工芸品を守って町おこし
 遠藤 雲山一門の印章をオルターにご紹介いただいているのは、カワグチ企画の川口 重雄代表です。川口 重雄さんは以前、市川大門町の町会議員をしており、年々地場産業が衰退していくことに心を痛めておられました。市川三郷町は障子紙の産地で、全国の半分の生産があります。花火も全国で三大花火の里の一つです。山梨県は水晶貴石細工や鹿革の革工芸品、印傳も有名です。
 これらの匠の技に支えられた伝統工芸品を守ることで町おこしを考えておられます。そのため本物をわかってもらえる消費者に伝統工芸品を紹介しています。



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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