通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

賞味期限って消費者のためになるの?
オルター通信985号記事
賞味期限って消費者のためになるの?
丸中しょうゆニュースNo.8より転載



賞味期限化の背景

 『1、本来いつを製造年月日にすべきか、不明確である食品(納豆、ヨーグルトや、熟成そうめんなど)の存在  2、グローバリゼーションの進展に伴い、賞味期限の記載が一般的な諸外国から、「製造年月日の表示は、自由貿易への障害である」との圧力が高まったこと 3、特に牛乳メーカーなど製造メーカー側の深夜操業の問題(デイゼロ(day 0)問題と呼ばれる。日付が変わった午前0時に生産ラインを動かして当日製造出荷した食品のみを消費者が購入できるよう、スーパーなど販売店が強く要望した。製造メーカーに従事する従業員への負担が大きい)などの点から、消費者側からの反対を押し切る形で、1995年に賞味期限に移行された』と書いてあり、どうしても製造年月日だと外国の輸入食品は古くみられがちで売れないから日本の食品を賞味期限に代えさすことをした、諸外国からの圧力が第一であると思われます。


賞味期限化の定義

 『定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を越えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする』と書いてあり、この期限が過ぎたからといってすぐに食べられないということではないということです。
 さて、私が伝えたいこととして、今の日本の現状は当該、賞味期限を越えた場合、たくさんの消費者の方々は「廃棄」する選択をします。ゴミになります。でも中にはもったいないからといい、色やにおいを確認し食する人もおりますが、特に若いお母さんたちは子供に対し「そんなモンは捨てなさい」と言っているのではないでしょうか。 その子供が大きくなったらまた同じ事を言うでしょう。賞味期限切れの商品を陳列したものならカンカンです。前は製造年月日の表示でしたから消費者の方で色を見るとか、においをかぐとか、少しなめてそれがすっぱいか等と五感で感じながら判断したものです。その方法を子供にも伝え子供も安全性を自分なりに判断したのではないでしょうか。少し不安なら、ハムをフライパンで炒めるとかソーセージを熱湯に通すとかして知恵を働かしてきました。賞味期限の表示になってからは五感で判断するチャンスは少なくなると思うのです。
 「これらの品質が保持されていることがあるものとする」との部分や安全のメカニズム(例えば、大腸菌や雑菌はこの温度で○分間火入れ、加熱すれば死滅するとか)を学校で教育してほしいと思いますし、一般の消費者も賞味期限が来たからといってすぐに捨てなくても良いということを知る必要があります。賞味期限が来ると捨てるとの行動は企業にとっては消費が増える材料になりますが、資源のない日本が、年間12兆円もの食品や残飯を捨てていることを考えると、資源の大切さを考えたとき大変もったいないと思うのです。
 最近、ニュースや新聞などで騒がれていた、A社がしていた消費期限ぎれのものを使用していたことは、断固としていけないことです。消費期限がきれたら腐敗しかけている、または品質の劣化に伴い安全性にかけているということです。消費期限と賞味期限は根本的に違うのです。
 賞味期限は消費期限と違って、賞味期限が一日越えたぐらいでは、品質に問題なく食べられるということです。贅沢きわまりない日本社会、幼稚な知識しかもたないこれからの若い世代、学校教育に代表されるように何もかも崩壊して昔からの日本人に継承されている良い知恵が失われていく、ファーストフードの代表格のハンバーガーのB社が売り上げ増、出店増をしている世の中、私たちスローフードに関わっている者が、もっとみんなに伝えていかなければ、そのうち野菜や果物までにも、消費期限の法制化が進められるかもしれません。それこそ恐ろしい金額と量をゴミにし、物を大事にする、もったいないといっていた資源のない島国日本の精神がなくなっていく、そんな時代にならないようにしたいものです。今の世の中、ほとんどの食品が分析や、数値で、人の五感に頼らず商品化され出荷されています。丸中醤油では、毎日、何十回と目で見て、香りをかぎ、舌で味見をして醤油を出荷しています。五感と蔵の菌のおかげで、醤油ができるのです。これからもファーストな時代に流されず、いつまでもスローな丸中醤油でありたいと思いますので、これからも丸中醤油をよろしくお願いします。

                                             敬具

平成19年4月
丸中醤油株式会社 中居 真和



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