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美浜原発 「破損ではなく大破断」元京大講師映像分析 事故の深刻さ指摘
通信845号資料記事
ストップ・ザ・もんじゅ2004年8月25日記事より転載

関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の高温蒸気噴出事故で現場写真やビデオ映像を見た元京都大原子炉実験所講師、小林圭二さん(65)=原子力工学=は、蒸気を噴出した配管が、単なる破損ではなく深刻な大破断だったと分析した。2次系配管を軽視してきた関西電力の姿勢を批判している。(大島秀利)
 映像では、直径約56aの配管に大きな穴が開き、管の保温材や金属が周囲の細いパイプなどにめり込んでいる様子がよく分かる。小林さんによると、これは配管が鋭利な刃物のように薄くなり、ぺらぺらにめくれあがっており、大口径破断と呼ばれる状態という。 
 「条件により老朽化が速く進行することは分かっていたはず。28年間も放置した当然の結果だ」と指摘した。
 破損個所からは、2次冷却水全体の約73%にあたる800dもの熱水が噴出、冷却水がほぼ空の状態になった。
 小林さんが思い浮かべた事故は、2次系の給水ポンプ停止をきっかけに炉心溶融に至った米軍・スリーマイルアイランド原発事故だった。今回も安全システムの共倒れが起これば、炉心に影響を与えかねない事故だったという。
 老朽化配管の放置は、2次系配管の軽視を象徴する。小林さんは「放射能を含まないから2次系の完全管理は軽視され、防災上も検査の優先順位もランクが下とみられがち。よその事故を人ごとにしか思わないおごりだ」と批判した。


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