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オルターは安全食品連絡会と連名で北海道知事に対して「北海道における遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン」を支持するとの声明を2004年3月15日電子メールでお送りしました。 また、農水大臣にも、この声明の内容をお伝えし、北海道のガイドラインを支持するとともに、遺伝子組換え作物の野外での栽培実験を行わないよう、大臣の指導を求めました。 以下、ご案内します。 (速報:編集部)
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2004年3月15日 北海道知事 高橋はるみ 殿 北海道農政部長 麻田信二 殿
北海道は本年3月5日に「北海道における遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン」を発表なさいました。このガイドラインにつきましては、北海道民がこれを尊重されることを望みます。また、私どもは、その精神を農水大臣にもご尊重いただき、国レベルにおいても、試験研究機関等による遺伝子組換え作物の栽培に関しましては、野外等開放系における試験等を厳しく制限し禁止するようお願いしました。別紙資料の通りでございます。 以上ご報告いたしますとともに、高橋知事のご英断を支持いたします。 北海道がわたくしたちに安心で安全な食をご提供いただけるとの力強い表明と受け止めております。
安全な食べものネットワークオルター 代表 西川栄郎
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北海道における遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン 平成16年3月5日 北 海 道
1 背景 (1) 近年、道内では、一般の農家での遺伝子組換え大豆の栽培や国の試験研究機関における開放系での遺伝子組換えイネの栽培試験が相次いだことなどにより、遺伝子組換え作物に不安を持つ消費者団体や生産者を中心に栽培中止などを求める声が高まっており、昨年12月には第4回北海道議会定例会において、遺伝子組換え作物の非承認などを求める意見書が採択されたところである。 (2) 一方、農林水産省は、本年2月の遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「カルタへナ法」という)の施行を踏まえ、所管する独立行政法人の栽培実験を対象に周辺の一般作物との交雑などを防止するための指針(第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針)を策定したところである。 (3) こうした状況の中で、道は、当面、道立農業試験場における実用品種の育成を目的とした遺伝子組換えの研究を見合わせるとともに「食」に関する、条例(仮称)案の中で遺伝子組換え作物の栽培を規制する方向で検討を進めている。
2 ガイドラインの策定に当たっての基本認識 (1) 遺伝子組換えなどバイオテクノロジーの研究開発は、将来的な本道の産業振興に有用であり、積極的な取組を進めることが必要と考えている。 (2) しかし、道民はもとより全国の消費者が、遺伝子組換え食品に強い不安感を抱いており、また、遺伝子組換え作物の花粉の飛散による一般作物との交雑などが懸念される。 (3) こうした状況の中で、道内において、開放系で遺伝子組換え作物の栽培が行われることは、道産食品に対する風評被害や本道農業の著しいイメージダウンにつながる恐れがある。 (4) このため、道としては、道内における開放系での遺伝子組換え作物の栽培について、消費者や生産者などの理解を得ながら慎重に対応することが必要と考えている。
3 目的 このガイドラインは、遺伝子組換え作物の花粉の飛散による一般作物との交雑などを防止するとともに、道産食品に対する消費者の安全・安心・信頼を確保し、北海道ブランドの一層の向上を図るため、道内における遺伝子組換え作物の開放系での栽培に関する道としての対応方針などを示すものである。
4 ガイドラインの位置付け (1) 遺伝子組換え作物の栽培の規制については、平成16年度中の提案を予定している「食」に関する条例(仮称)案の立案の中で別途検討を進めているが、このガイドラインは、2に掲げる基本認識を踏まえ、早急に対応することが必要であることから、当面の間の対応方針として示すものである。 (2) ガイドラインの目的を達成するためには、生産者や試験研究機関をはじめ、市町村や農業団体などの理解と協力が必要であり、それぞれの立場で、このガイドラインに沿った積極的な取組を期待するものである。
5 ガイドラインの適用範囲 このガイドラインの適用範囲は、道内における開放系での遺伝子組換え作物の栽培とする。 ※「開放系での遺伝子組換え作物の栽培」とは施設設備その他の構造物の外の大気水又は土壌中に遺伝子組換え作物が拡散することを防止するために執る措置(カルタヘナ法第2条第6項に規定する措置をいう)を執らないで行う遺伝子組換え作物の栽培をいう。
6 道としての対応方針 道は、道内における開放系での遺伝子組換え作物の栽培について、市町村や消費者団体、農業団体などの関係機関及び関係団体などと連携及び協力しながら、次に掲げる対応方針に基づき対処する。 (1) 道は、開放系での遺伝子組換え作物の栽培について、2に掲げる基本認識を道内における生産者や試験研究機関等に対して周知する。 (2) 道は、毎年度、市町村や農業団体などの協力を得て、生産者や試験研究機関等を対象に翌年度における開放系での遺伝子組換え作物の栽培に係る計画を調査するとともに、その調査の結果の概要について道民に情報提供を行うものとする。 (3) 道は(2)の調査により、開放系での遺伝子組換え作物の栽培に係る計画を把握した場合には、当該作物の栽培を行おうとする者に対して、2に掲げる基本認識を説明した上で、その栽培を中止するよう要請を行うものとする。 (4) (3)の中止の要請にもかかわらず、開放系での遺伝子組換え作物の栽培を行おうとする者に対して、道は、周辺農家の一般作物との交雑などを防止するための万全な措置を講じるよう、要請を行うものとする。 (5) 道は、現に把握していない開放系での遺伝子組換え作物の栽培が行われていることが判明した場合は、市町村や農業団体などの協力を得て、速やかに栽培の実態に関する調査を実施し、栽培者に対して、当該作物の栽培の中止及び処分の要請を行うものとする。 (6) 道は、開放系での遺伝子組換え作物の栽培が行われた場合は、必要に応じて周辺農家における花粉の飛散による一般作物との交雑などを確認するための調査及び分析を行うものとする。
7 今後の取組 (1) 遺伝子組換え技術に関する情報を消費者をはじめ道民に積極的に提供し、正確な知識の普及及び啓発に努める。 (2) 試験研究機関が研究ほ場で行う遺伝子組換え作物の栽培に係る試験については、その実施条件を別途検討する。 (3) (2)の検討は「食」に関する条例(仮称)案の検討の中で行うこととし、同条例案の提案を予定している来年2月までに結論を得る。
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2004年3月15日 農林水産大臣 亀井善之 殿 カルタヘナ議定書の尊重と遺伝子組換え作物野外実験中止を要請します
貴大臣ご承知の通り、北海道は本年3月5日に「北海道における遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン」を発表しました。私どもは本ガイドラインを北海道民が尊重されることを望みますとともに、その精神を貴大臣も尊重いただき、国レベルにおきましても、試験研究機関等による遺伝子組換え作物の栽培に関しましては野外等開放系における試験等を厳しく制限し禁止なさるようお願いします。 カルタヘナ議定書自体が指摘している通り、近代バイオテクノロジーは冒険的な実験技術であり、生命の安全や暮らしの安心を著しく脅かす危険性をもっているのです。放射性物質による危険性が水で洗い流せないように、遺伝子汚染などのバイオリスクも水で洗い流すことのできるものではありません。 したがって、民間人による同様の、カルタヘナ議定書に基づかない栽培もしくは栽培試験に対しても、行政的手段を持って制止しもしくは中止させて、カタルヘナ議定書の精神に基づき、生物多様性を損なう恐れのあるリスクを回避し、人の健康に対する危惧をも抑止することを貴大臣が率先して指導し、指示なさいますようお願い申し上げます。 以上、要請いたします。
安全な食べものネットワーク オルター 代表 西川栄郎 大阪府富田林市西板持町2-3-5 電話 0721-34-2600 FAX 0721-34-2777 安全食品連絡会 代表 山中純枝 兵庫県川西市南花屋敷3-13-19 電話 0727-59-2145 FAX 0727-56-0428 担当連絡先 嶋村洋子 電話 0736-37-5360
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