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市販のサンドイッチとトランス型脂肪酸 ―第2回―
オルター通信941号記事
鹿毛俊孝 オルター顧問(経営担当)

2006年7月16日(日)の日本経済新聞から引用します。
 調理油などのトランス脂肪酸 取り過ぎに注意  心臓病引き起こす恐れ
 揚げ物などに使う調理油やマーガリンに含まれている「トランス脂肪酸」が、心臓病を引き起こす原因になると問題になっている。米国では消費者団体が大手ファーストフードを相次ぎ提訴、ニューヨークのレストランからはマーガリンが消えた。トランス脂肪酸にどれだけ危険性があるのだろうか。
 トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸と呼ぶ油脂成分の一種で、マーガリンの場合、原料の油に水素を加えて固める時に発生する。パンやケーキ、菓子を作るときに扱うショートニングにも含まれる。血液中の悪玉コレステロールを上昇させる一方、善玉コレステロールを低下させ、動脈硬化による心筋梗塞の原因になるとされる。
 八万人を対象にした米国の疫学調査では、一日の食事で摂取した総エネルギー量 (カロリー) に占めるトランス脂肪酸の割合が2.8%に達すると、1.3%の人より心筋梗塞の発病リスクが3〜4割上昇することが分かった。
 一日の摂取カロリー量にもよるが、マーガリンだと20グラム強、フライドポテトだと約50グラム食べると、トランス脂肪酸の割合が1%になるという。
 国内では、まだトランス脂肪酸と心臓病との関係を調べたデータはない。
 (中略)
 政府の食品安全委員会も2004年、「海外と比べ、日本人の摂取量は少ない。健康への影響は小さいだろう」との見解を公表した。
 ただ、油がいたみにくくサクサク感が出せるためファーストフードの揚げ物などに多用されている。取り過ぎると健康に悪影響がでる可能性は否定できない。国立健康・栄養研究所の江崎治・基礎栄養プログラムリーダーは「トランス脂肪酸は摂取するほど健康リスクが高まる。体に良いことは何一つない」と言う。
 どれだけ摂取したか目安となるよう、米国は今年1月から、すべての加工食品でトランス脂肪酸の含有量を表示することを義務づけた。カナダも同様の表示義務を導入済み。デンマークでは2004年、大半の加工食品で油脂中のトランス脂肪酸の含有量を2%以内にするよう規制した。
 日本人の健康への影響を調べた疫学調査のデータが不可欠だが「(文部科学省作成の)食品成分表にすらトランス脂肪酸の記載がない。調査したくてもできない」(江埼氏)というのが現状だ。(後略)
 ここで新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版)から引用します。
 マーガリンほど体に悪い油はない
 もっとも酸化が進みやすい食物の代表が「油(脂)」です。
 (中略)
 現在一般的に市販されているオイルの多くは「溶剤抽出法」といって、原材料にヘキサンという化学溶剤を入れドロドロにしたものを加熱し、油を溶け出させたうえで、さらに高圧・高熱で溶剤だけ蒸発させるというやり方で作られています。この方法だとロスが少なく、加熱してあるので変質もしにくいのですが、この方法で抽出された油は「トランス脂肪酸」といって体にとって非常に悪い成分に変わってしまうのです。つまり、腐敗(酸負)しない代わりに体に害を与える成分が含まれているということです。
 トランス脂肪酸は、自然界に存在しないもので、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすほか、ガン、高血庄、心臓疾患の原因になるなど、さまざまな健康被害をもたらすことが報告されています。
 そのため欧米諸国では、食物に含まれるトランス脂肪酸の量に上限値を定め、それを超えるものは販売が禁止されています。しかし、残念ながら日本では、このような基準はまだ定められていないのです。
 そして、このトランス脂肪酸をもっとも多く含んでいるのが、「マーガリン」なのです。動物性脂肪のバターより植物性の油で作られたマーガリンのほうがコレステロールもないし、体によいと信じて使っている人は多いと思いますが、これは大きな間違いです。じつはマーガリンほど体に悪い油はないのです。患者さんに食事法の指導をするときにも、「もし家にマーガリンがあったら、すぐ捨てなさい」といっているほどです。
 もともと植物油というのは常温下で液体となっています。これは植物油に不飽和脂肪酸が多く含まれるからです。同じ油でも動物性の脂肪が常温で固体であるのは、飽和脂肪酸を多く含んでいるからです。
 ところがマーガリンは常温下であるにもかかわらず固まっています。
 なぜマーガリンが常温下でも固まっているのかというと、水素を添加し、不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に人工的に変化させているからなのです。マーガリンの原材料である植物油は、もともと溶剤抽出法で抽出されたトランス脂肪酸を含んだ油です。それに水素を加え、わざわざ飽和脂肪酸に変化させているのですから、これ以上悪い油はないといっていいでしょう。
 マーガリンと同じくらい多くのトランス脂肪酸を含む油に「ショートニング」があります。家庭でショートニングを料理に使うことはほとんどないと思いますが、市販のクッキーやスナック類、ファーストフードのフライドポテトなどにはたくさんのショートニングが使われています。スナック菓子やファーストフードが体によくないとされている理由のなかには、こうしたトランス脂肪酸の問題もあるのです。
 (同書、97〜100ページ)
■オルターではかねてからトランス脂肪酸を含む油脂、お惣菜、お菓子を全て追放してきています。(代表)
  

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