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わいわいゲスト生産者 丸中醤油さんからのご挨拶
オルター通信1004号記事
わいわいゲスト生産者 丸中醤油さんからのご挨拶
丸中醤油株式会社 
代表取締役社長 中居真和



原料や製法のこだわり、職人の五感を大切に 誠実なものづくりへの姿勢
醤油の歴史

 醤油の歴史を調べてみると、古代中国に伝わる『醤(ジャン)』が醤油の原型ではないかと言われています。『醤』とは、もともと原料を塩漬けにした発酵食品です。大昔は今みたいな冷蔵庫のようなものはまったくなかったわけですから、食べ物を保存するのに塩漬けにしていたようです。魚や肉を塩漬けした『肉醤』、野菜や果物などを塩漬けした『草醤』、大豆や小麦などを塩漬けした『穀醤』、などがありました。今でいうと『肉醤』は塩辛など、『草醤』は漬物など、『穀醤』が醤油や味噌などの原型だといわれています。
 そのあと鎌倉時代に禅僧覚心が中国から『径山寺味噌(きんざんじみそ)』の製造法を持ち帰りました。それからその後和歌山の湯浅で、桶底にたまった液汁がおいしいことを発見、これがいまの『たまりしょうゆ』だといわれています。室町時代になり、文献に『醤油』が始めて登場します。丸中醤油のある滋賀県(近江)は昔から交通の要所として東海道と中山道、北国街道が通り、物の伝わりも早く比較的早いうちに醤油づくりは伝わったと言われています。


丸中醤油が一般市場より
かなり高いのはなぜ

その後江戸時代には、濃口しょうゆがつくられはじめました。人々の生活に定着したのは室町末期から江戸時代初期だとされています。江戸時代の始めの頃はなんと米の価格の3倍から4倍で売られていました。明治時代になると、醤油が32銭、散髪代と比較すると約15銭でその当時は散髪代の倍以上で醤油が売られていたみたいです。昭和40年ぐらいになると、醤油が平均で180円、散髪代が300円ぐらいで散髪代のほうが逆転して倍近くになっています。そこを基準に考えると今現在散髪代が3600円ぐらいなので、40年ぐらいたって約12倍ぐらいになっており、他のものの物価もだいたいそのぐらいで推移しています。醤油で考えると平均で2倍ぐらいでほんとに安くてびっくりしてしまいます。ほとんどの安い醤油は原料が大豆から脱脂大豆(油を絞ったかす)に変り、温度管理の設備を造り(農業でいうと寒いとき暖かくするような温室栽培みたいなもの)、味付けをする添加物や、色をつける着色料、香りをつける香料、腐らないようにする防腐剤、発酵を早くする発酵促進剤などが科学的に開発され、できるだけ醤油を造る期間を短縮し、大量生産できる設備や、醤油を造る工程での無人化をはかりとそういった背景はあるのですが、500mlのペットボトルのお茶が今現在150円、同じく水は120円ぐらい、醤油は1000mlで130円ぐらい、もっと安いのをみると90円ぐらいで売られています。伝統的な醤油の作り手としてはなさけないのですが、お茶より水より安いのです。どうしてそんなに安く作れるのか丸中醤油ではとても考えられない価格です。いつも丸中醤油が市販のお酒より高くてお客さまには申し訳なく思っております。丸中醤油はなぜこんなに高いと思われますか。
 それは原料からこだわり、製法にもこだわり、自然の恵みの恩恵を受け、できるかぎり人の手をかけ手塩にかけて育てているからです。
 まずこだわりの原料からお話させていただきますと、まず小麦にしても大豆にしても『植物や食物は育てる人の顔を見て育つ』と言われますから生産者と顔の見える関係を大切にし、無農薬栽培有機農法での契約栽培をお願いしています。やはり、安心・安全の作物をしていただくのにはコストがかかり、普通の大豆の約11倍ぐらいの価格で仕入れさせていただいております。また製法を考えると、一般的な醤油は、数ケ月で出来ますが丸中醤油は3年以上かけて熟成させます。その間、一般的な醤油のほとんどが、コンピューター制御され、大きいところになると無人化され、分析数値がよくなるように調合され味付けされ出荷されます。丸中醤油では、ほとんど昔から変らない古式製法で、職人の五感(見る、嗅ぐ、触る、聴く、味を見る)を研ぎ澄まし、三年から四年ぐらいまで人の手で育てられ、手をかけてやり、子どもを育て嫁に出すような気持ちでお客様にお届けしております。丸中醤油独自の滋賀の風土による低温でじっくり熟成している醤油だからこそ『香り高く味わい深い醤油が出来上がる』美味しい醤油をお届けしております。少なく使ってもいいお味がつくと各地で高い評価を頂いておりますがその価値をどうぞご理解頂きたいと思っております。


丸中醤油での 苦労とは

 苦労というか、苦悩なことが最近は多いですね。やはり農家の方の自然での農作物を育てるのと同じで、丸中醤油でも自然発酵、天然醸造なので、三度の四季の気候や気温の変化の影響をもろにうけてしまうことですね。それの最大の理由は、地球温暖化の影響です。毎年、毎年、梅雨が遅れたり、猛暑や暖冬だったり、ほんとにわがままな気温や気候、そして湿度には本当に悩まされます。 その少しの変化でももろみに変化がでます。そのたびに私たちが手をくわえてあげないとより良い最高の醤油にはならないのです。ちなみに今年は昨年の約1.5倍ぐらい、かい入れという作業をしました。      
                                                        以上


丸中醤油のおいしい食べ方
 炊き立てのあったかいごはんに、昔ながらの古式製法で育てられた丸中醤油を少しかける。それだけで忘れかけていた、なつかしい味と香り、昔からの日本の伝統の日本食の基本が感じられると思います。



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