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貴重な古白漬け梅
カタログ“2005年9月1週”
貴重な古白漬け梅
「人が口に入れるものに農薬を使うべきではない」と徹底的に農薬を拒否する大西由春さんの古白漬け梅味のわかる人、違いのわかる人に買っていただきたい品です

 大西由春さんの梅園は、奈良県西吉野村(町村合併で本年9月17日からは西吉野町)の山の上にあります。代々ここに住み、少なくとも祖父の代以前から梅や柿を作っており、それらの作物が適地適作であることを物語っています。大西さんはここで、事実上無農薬で梅を栽培して19年になります。
 大西さんは25〜26才の頃、農文協の雑誌に紹介されている全国各地の篤農家を回り、研修を重ねられました。知り合いとなった果物を扱う仲買人の影響で、おいしい果実作りをしたくなったからです。戻ってきて家業の梅作りを手伝い、農協の指針通りの農薬防除もやりましたが、良い作物を作ろうとすればするほど農薬はいらないという結論になり、30才前後には農薬を使わないことにしました。すると、収穫した農作物は農協や市場ではくず扱いを受け、相手にされなくなりました。 
 収入が閉ざされたため出稼ぎせざるを得なくなり、近場で山仕事、土木作業員、はては帽子の裁断まですることになったそうです。
 お父様はそんな息子に「農薬を使って、出荷できる作物にして現金収入を」と願っておられましたが、それでも「農薬を使うくらいなら農業はやらない」と、ほとんど買い手のないまま約1.3haの梅、約1.1haの柿の有機農業に取り組んできました。
 最近ではお父様や周りの人も大西さんの頑固さに、さすがに説得をあきらめてしまったそうです。 

大西由春さん・弘子さんご夫妻(背景:梅園)
自然環境が8割、人間の手は2割ほど。
「作物を育てるのは自然環境が8割、人間の手は2割ほど。自然に則れば作物はできる。人間は少しお手伝いさせていただくのだ」と、大西さんはおっしゃいます。必要以上に肥料や手を入れ過ぎるのはかえって悪循環に陥り、良い作物にならないという信念です。
 木が欲していることは樹勢をみればわかる、とおっしゃいます。
 梅に使う農薬はここ3年は石灰硫黄合剤(毒性がほとんど問題にならない)1回のみの使用、それ以前の10年間は2回のみ、来年はもはや0回にするとお考えです。
 柿には通年は2回ですが、今年は0回でいけそうだということです。面白いことに、農薬をやめて3年、5年、7年、15年と明らかに土が変わっていったそうです。


消費者の応援を・・・
信念の人、大西さんにあと不足しているのは、その良さを理解することのできる消費者の応援です。大西さんのように農薬の嫌いな人が、私は大好きです。大西さんの農業を世に出す応援に、オルターとしても取り組みたいと思います。
 引き取り手のなかった梅は、その都度塩漬けにして、のべ5年間在庫になっています。さすがにここ3年はその塩漬けはあきらめました。つまり4年ものから8年ものの塩付けした梅が眠っているのです。まずはこの莫大な在庫になっている、結果的に大変深みが出ておいしくなった古白漬けの漬け梅の出荷を手伝いたいと思います。紹介者は(有)熊野鼓動の横瀬恒人さんです。

大西由春さんの古白漬け梅
 赤じそを入れない塩漬けだけの「白梅」です。かつて錬り梅用に出荷していた時代の漬け梅加工場の設備で、塩漬けのみの状態で置いてあるものです。その梅酢から出して出荷していただきます。
 のべ5年間毎年重ねて塩漬けしてきているので、梅の品種や、4年ものから8年もののつけ梅も混合です。古い梅干しは酵母の活性も良く、一般には高価に売られています。ましてや事実上の無農薬の高級な梅です。


【原料】

●梅
【品種】白加賀、林洲、南高、鴬宿
【農薬】今回出荷するのは石灰硫黄合剤2回の頃のものです。この農薬の毒性はほとんど心配することはありません。
【肥料】2種類の堆肥を適量施肥しています。
@雑木(ほとんどが広葉樹)、木炭、木酢液(生産者のわかった備長炭のもの)を使った堆肥。土壌改良材的に用いています。
A雑木、木炭、木酢、米糠、鶏糞を使った堆肥。肥料に用いています。
【除草】除草機で手刈りしています。草はのばして刈って、草マルチにしています。

●塩
残念ながら市販品(イオン交換塩)です。在庫がなくなったら、オルター仕様の塩に変えていただく予定です。

この中に、時を経た貴重な古白漬け梅が眠っている。梅酢の表面には塩の結晶がびっしり。
【製造方法】
残念ながらコンクリート製にFRP樹脂を塗布している水槽で漬けています。これも将来、杉の板張りにして杉樽として再生していただこうと思っています。

【包装】
シンプルで安全なガラス容器に入れます。

【使い方】
長時間つけ梅にしているため、水分が蒸発して塩分濃度がたいへん高くなっていますので、少量ずつお食べください。柔らかいので錬り梅にして料理にも使えます。


       ー文責 西川栄郎ー



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