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市岡製菓 かりんとう物語
カタログ“1998年9月3週”
市岡製菓 かりんとう物語
 話は徳島暮らしをよくする会時代に逆のぼります。当時、世話人だった佐藤さんが友人に日本一のかりんとう屋さんがいると紹介されたのが市岡通裕さん。
 持参されたサンプルのかりんとうを食べて、市販よりはおいしいが、材料をこだわりのものに変えた方がもっとおいしくなるのではと提案。そして、会の材料をお渡し、試作をお願いすることとなった。
 数日後、再び出来上がったサンプルをもって会へこられた市岡さんは、興奮気味に「こんなにおいしいかりんとうは、生まれて始めて。是非作らせてほしい。」これが物語の始まりでした。
 市岡通裕さん(現市岡製菓社長)は2代目。私達のかりんとうを作るために、製造ラインの機械の掃除からはじめて、材料の油、砂糖、小麦を全て入れ替えてセットするのは半日仕事。それから製造に入るが、スイッチを押すと数分で出来上がってしまう注文量しかありませんでした。
 「これは仕事ではない、道楽だ」とお父さんに叱られ反対されながらの船出でした。市岡製菓は消費者にうそをつかないものを作りたい。このようなこだわりのものこそ市岡製菓のポリシーとしたいと、今日までその姿勢を貫かれてこられています。
 当時に比べて、市岡さんのかりんとうを評価する団体も増え、製造量は増えたとはいえ、まだまだ製造は機械のラインに十分にはのっておらず、手揚げのレベルが続いています。ときに少々揚げすぎて、こげ臭のある品物ができてしまったりするのはそのためです。

ドラ焼きラインで説明されている市岡通裕さん
オルター大阪の市岡製菓見学会風景
かばのかりんとう
 最初に作ったのが「かばのかりんとう」。小麦粉は北海道産チホク小麦。油は影山製油所の菜種油。(現在は影山製油所の油の量の確保が難しくなったので、石橋製油の菜種油になっています。
※下記参照)砂糖は倉源の奄美黒糖です。膨張剤(これを使えば量が多く見える)、酸化防止剤(油菓子は製造後1ヶ月以内に食べるのがよい。市販は長期保存を目的のため使用)、 着色剤など一切の添加物を使わない徹底ぶり。子供が食べることを考え、3連の小袋入り、シールのデザインも私達が作りました。
 価格は将来売れたときにと、非常に低価格に設定。なぜなら、コスト計算から出したら、始めからとうてい売れない価格になってしまうから、出世払いで売れた時にやっていける価格を最初から設定していただいたのです。

オルター大阪ツアー工場見学風景
※石橋製油の菜種油
 九州のグリーンコープ連合の開発品。以前はカナダ産の菜種を原料としていましたが、カナダ産には遺伝子組み替え菜種が今年から3〜4割混入してきているため、今年からNON−GMO(非遺伝子組み替え作物)の取り組みを行い、原料価格は割高ですが、オーストラリア産に切り替えています。なお、ポストハーベストに関しては、もともと菜種自体には不要なのでほとんど心配はしなくてよいという判断です。

ネグロスかりんとう
 次の開発は「ネグロスのかりんとう」。ネグロス救援のため、徳島暮らしをよくする会とフィリピンネグロス島の間で始めた黒砂糖の民衆貿易(これは現在のオルタートレードジャパンに引継がれています)をきっかけに、少しでも救援のためになればと、ネグロスのマスコバド糖を使ったかりんとうです。材料はかばのかりんとうの砂糖をマスコバド糖に置きかえたものです。

ドラ焼き
 次いで「ドラ焼き」の開発。市岡さんのところでは、様々なおいしいお菓子を作られていますが、材料にこだわれば、ほとんどが商品開発が難しいものばかりです。
 その中でなんとか、私達のポリシーに合うものはないかと考え、3番目の開発がドラ焼き。原料は香川産しらさぎ小麦、PHF玉子、三温糖(ムソー)、重曹(膨張剤も有害なものがあるので、オルターでは原則使用禁止ですが、ドラ焼きは膨張剤なしでは無理なので、安全性の高い重曹の使用を認めました)、あんはタローパンのあんパンを開発したときの、谷田製あんのあん(国産小豆と種子島甘蔗分蜜糖)


          −文責 西川栄郎−


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