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原料にこだわり、手間ひまを惜しまず、 しっかりとソフトな素敵な洋菓子を作っています。
●一流の技術で国産原料を使いこなす
(有)サンラピス木村憲一社長は、可能な限り安全な材料を使って洋菓子を製造しています。工場は静岡県函南町にあり、質素ですが清潔な工場です。洋菓子作りにおいては、国内産の安全な原料を使うことは技術がないとできないことです。手間ひまもかかります。 市販の場合、安価ですが危険な輸入ものを原料として、食品添加物を多用し、リキュールなどで今風の味にごまかして短時間に量産できます。それに対し、無添加で作るサンラピスの場合、添加物が果たす役割を、洋菓子作り本来の技術と手間でカバーしなければなりません。 ホイップは生地の出来上がりをなめらかにするために素手で行い、粉合わせや火の加減も微妙な調整が求められます。ローカロリーをめざし、また酸化や劣化を考えて油脂類の使用は控え、糖分も控えています。 小麦粉は適度な熟成を考え、挽いてから1週間経ったものを入荷し、1週間で使いきるようにしています。無添加の粉は扱いが難しく、下手をするとうどん粉のようになってしまうからです。保存中の劣化が問題となる原料については、脱気・真空保存して劣化を防いでいます。 そのため、仕上がりはしっかりとソフトなお菓子になっています。十分に水分を飛ばしたり、パックの工夫をして日持ちをよくしています。
●原料確保に苦労しています
現在、洋菓子業界は軒並み大変になっています。原料価格がめちゃくちゃに高騰している上に、バターなどは入手そのものが困難となってきています。サンラピスでもバターの代わりに、トランス脂肪酸の心配のない有機ショートニングを使い始めました。また、製造ロットごとに余った生地も、コストに繰り込まないよう無駄にせずにその都度工夫して使っています。
●心を寄せられるメーカーとして
サンラピスはわずか5〜6年で社長が5人めまぐるしく交代しました。それだけこだわりの洋菓子づくりの経営が難しいといえます。前身は「ラピスラズリ」小島幸子代表(ムソー食品の後立て)。「サンラピス」に名称を変えて初代社長は古内孝明氏、二代目は向井晃氏(元ムソー食品の仕入部長)、三代目は吉野豊氏。現社長の木村憲一さんは四代目で、今年2008年3月5日就任です。今年、工場を東京から静岡県へ移設されました。 木村憲一さんは若い頃トヨタで設計の仕事などをしていましたが、体調を崩し自然食に出合いました。退職して市場流通の仕事に携わり、その後、自然食の開発に携わってきた経歴があります。 木村社長は「手作り品は自ずとキャパが決まる。目が届かないのでアウトソーシングは難しい」と考えています。どんな原料を使うかきちんとしないといけない、「信頼」「心を寄せられる」ことがメーカーには大切と考えておられます。将来はもっと生産者のわかる国内原料へとシフトしていきたいとおっしゃっています。 アパレルのファッションデザインの仕事をしてきた息子の木村茂治さんが営業係長として協力を始めています。製造現場で働くパートさんの中には自らもアトピーで苦しんだ経験がおありの方もいて、アトピーの子どもたちへの配慮も忘れません。
オルターへのご紹介は、食用塩研究会の元スタッフ・鈴木雄さんからです。
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現在のラインナップは、カントリークッキー、フィナンシェ、ブラウニー、スクエアケーキ、マドレーヌ、ロールケーキ、デコレーションケーキなどです。
使用原料 ●小麦粉…日穀製粉(長野県)の北海道産、長野県産。 ●無塩バター…タカナシ乳業(北海道) ●有機ショートニング…ダーボンオーガニック(コロンビア)のオーガニックトランス脂肪酸フリー100%パームオイル・ショートニング。無水素添加製法により、人体に悪影響のあるとされているトランス脂肪酸を含んでいません。加工工場に隣接した自社農園で化学合成農薬不使用・化学肥料不使用栽培された成熟して最も採油に適したパームを、時間を置かずに圧縮・精製した上、速やかに出荷しています。そのため、酸化を許さない大変フレッシュなオイルに仕上がっています。もちろん添加物・保存料不使用です。(下記参照) ●たまご…会田養鶏場(長野県)。NON-GMO、PHFトウモロコシ(全農)を主とした配合飼料を与えて平飼い。 ●砂糖…新光糖業(鹿児島県)の甘蔗分蜜糖(カタログ2000年4月1週号参照)。 ●食塩…海の精(東京都)の赤ラベル(加熱)。 ●ごま(黒)…鹿北製油の国産無農薬ごま。長崎、鹿児島、熊本、宮崎、茨城、沖縄、岩手県産。 ●有機ココアパウダー…桜井食品扱いのドミニカ産(Skal認定有機)。 ●有機チョコレート、有機チョコレートチップ…日新化工扱いのドミニカ産(JONA認定有機)。 ●有機アーモンドホール、有機アーモンドプードル、有機アーモンドスライス…ネオファーム扱いのアメリカ産(CCCOF認定)。 ●有機抹茶…MOAの静岡県産(自然農法国際開発センター認定有機)。 ●有機くるみ…桜井食品扱いのアメリカ産(ICS日本認定有機)。 ●麦芽水飴…大同製飴(香川県)。原料は甘藷でんぷん(鹿児島県産)、国産大麦糖化酵素、NON-GMO-αアミラーゼ。 ●小豆あん…木下製餡。原料は小豆(北海道産)、砂糖(ビート糖) ●手亡煉餡…木下製餡。原料は手亡豆(北海道産)、砂糖(ビート糖)。 ●牛乳…タカナシ乳業の低温殺菌牛乳。 ●生クリーム…タカナシ乳業。 ●レモン…自園栽培(無農薬)。 ●有機紅茶…アリサンのスリランカ産(QAI認定有機)。 ●米粉…MOAの静岡県産。 ●大豆全粒粉…(株)前田の国内産(エンレイ種)。 ●△寒天…伊那食品の南米産ほか。 ●△無漂白栗甘露煮…高知缶詰の韓国産。 ●くちなし…自園栽培(無農薬)。 ●ブルーベリー…石田農園(長野県産)の無農薬。 ●重曹…モンゴル天然炭酸水素ナトリウム。 ●金箔…田中屋。
※△印はオルターとしては問題があると判断している原料です。
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オーガニックトランス脂肪酸フリー100%パームオイル |
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原産国:コロンビア 原料:自社農園パーム油(ICS日本認定有機) 製造工程:@殺菌A事前処理クエン酸(0.005%)添加B圧搾搾りC静置D分別蒸留Eろ過F乾燥G金属探知H瓶詰
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世界規模でパーム油の需要が増す一方、その農園開発による熱帯雨林の伐採や野生動物の生息地の縮小、劣悪な労働条件等の環境面や社会面における問題も顕在化しています。こうした状況から、WWF(世界自然保護基金)とパーム油関連企業により持続性をもったプランテーション開発や、運営面における環境や社会に対する配慮の必要性が提起されました。その後、パーム油に関連する様々なステークホルダー(生産者・加工業者・消費財生産者・小売業者・銀行・投資家・環境社会NGO等)が参加する革新的な試みとして、中立的な国際非営利団体RSPOが設立され、持続可能なパーム油のための取り組みを行っています。
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小麦粉はポストハーベスト農薬のある輸入小麦粉。生クリーム、バター、たまごなどは餌が遺伝子組み換え・ポストハーベスト農薬のある輸入穀物や飼料添加物、飼い方は動物医薬品などに問題があります。チョコレートは遺伝子組み換え・ポストハーベスト農薬のある大豆レシチン、放射能汚染の心配な乳製品などの問題。イチゴは農薬だらけ。その他ショートニング(トランス脂肪酸:ガン、心臓病、精神病)、ブドウ糖、洋酒、乳化剤、膨張剤、香料、着色料、糊料、カゼインNa、セルロース、リン酸塩などが使われています。
―文責 西川栄郎(オルター代表)―
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