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昔ながらの天然わら納豆 フクダ
カタログ“2003年12月2週”
復活!!  「昔食べたうまい納豆が忘れられない」 
 稲わらに棲む天然の納豆菌を使った納豆作り。その稲わらには、有機栽培による水田から採れたわらを使い、大豆はもちろん無農薬栽培大豆といった究極のこだわりの手造り納豆のご紹介です。オルターへの紹介は、「買ってはいけない」の著者の
お一人、三好基晴先生および平山理恵子会員です。
 昔から、農閑期に農家は煮た大豆を稲わらに包んで、わらに棲む枯草菌の一種である、天然の納豆菌を活かした納豆作りを行ってきました。しかし、現在この伝統的な製法を行っているメーカーは、ご紹介するフクダ以外、絶滅しています。土産物屋で稲わらの容器に入って売っている納豆があっても、それは輸入大豆と培養された納豆菌で作った納豆をポリ容器に包んだだけで、わらは単なる飾りに過ぎません。
 潟tクダの本業は、電子部品メーカーです。
その会社がなぜ、わら納豆作りを始めた理由は、
社長の福田良夫さんが、「昔食べたうまい納豆が忘れられない」と、自分で納得のいく納豆作りを追求なさり、最近まで昔ながらのわら納豆作りを続けてこられた、仁平勇三郎さんのアドバイスも受けて、復活なさったからです。世間の人は、昔ながらの本物の納豆の味を忘れてしまっている、昔の食文化を残したいと、とうとう本格的な加工工場まで作られたのです。
 その工場では、これまで電子部品を作ってきた
社員達が働き、この納豆作りの方が、難しいけれど面白いとおっしゃっているのです。福田さんも、将来は会社が納豆屋になってもいいか、とまでの力の入れようです。

 本物の納豆を守り育てるには本物を見極めることのできる消費者が!

 製品化が全て順調にきたわけではありません。稲わらの天然の納豆菌を使うということで、当初、厚生省、県、保健所は、食品衛生法上の許可を出そうとはしませんでした。以前、サルモネラ菌の問題が起こったためでした。しかし、福田さんは稲わらを熱湯消毒することで、これをクリアなさいました。納豆菌は熱湯では死なずに生き残れるからなのです。まさに電子工学の技術者のノウハウを活かして、事故の起こらないわら納豆作りのシステムを日本で初めて開発なさったのです。
 また、天然の納豆菌を使うということで、バラつく発酵を安定させるのに、苦労があります。雑菌の少ない冬場はしやすいのですが、梅雨時期などは難しくて、味を悪くするようないたずらな菌がいるのです。わらの品質や道具類も関係するようです。道具類はステンレス容器から木製(地場産材木)にしようと検討されているように、まだまだ工夫とご苦労は続いています。
 今回食べさせていただいた、この納豆の味は、天然の納豆菌が作った納豆ってこんなにもおいしい食べものだったのだという絶賛すべきものです。現在、一般に市販されている納豆は、全て継代培養された画一的な納豆菌を使っています。菌も、栄養豊富な培地の中であまりにも過保護に育てられますと、すっかり野性を失い、おいしい納豆を作る力がなくなってしまうのでしょう。
 フクダの天然わら納豆はマスコミ、雑誌に次々と紹介され、どんどん有名になっています。しかし、人気先行で、消費者側の実態が必ずしも追いついているわけではありません。このような本物の納豆を守り育てるには、私たちのような本物を見極めることのできる消費者が、しっかりと食べさせていただくことが、まず肝要だと思うのです。
 天然わら納豆は、大きなわらの包みに入っていますので、狭い冷蔵庫だと納めきれないかもしれませんが、そのときは陶器製の容器に移し、乾燥させないようにポリ袋で包むという工夫がいるかもしれません。とにもかくにも、この感激の味の納豆をぜひご賞味下さい。


 フクダの天然わら納豆ふくふく

・無農薬大豆100%
・有機栽培稲わらの天然納豆菌
・昔ながらの手造り製法

福田良夫さん(背景は納豆用わらの保管)
フクダの天然わら納豆ふくふく  原料
大豆…国産無農薬(近く有機栽培のものへ切替えを予定)
 生産者・地元栃木県のJAはが野に生産委託しています。
     関口良平、賀川孝幸、斉藤克之
     …品種「納豆小粒」
    ・土井弘一(今年12月から使用予定)
     …北海道産無農薬大豆
稲わら…国産有機栽培水稲
 栽培者・日本の稲作を守る会北関東支部
     館野広幸、大橋秀充、斉藤克之、柳沢隆弘、江田一之、
     隅内俊光、森義雄、永塚文雄、郡司利一、小谷美義、
     大出幸男
    ・栃木県立真岡北陵高校作物部
 有機水稲わら仕入れ窓口:JAはが野営業部
 有機認証:NPO法人民間稲作研究所有機認定委員会
 栽培方法:有機無農薬、堆肥使用、化学肥料無使用、
      合鴨除草、カブトエビ除草
      わらを取るのに、コンバインに結束機をつけています。
 水:井戸水


フクダの天然わら納豆ふくふく 製法
@大豆を洗浄する。
A洗った大豆を釜に入れ、12〜15℃で約12時間(一般では10〜24時間)、
 井戸水に浸漬する。
B鉄製の釜に木製のおとしぶたをつけて8〜9時間煮る(一般では40分〜
 1時間)。大豆は適切な柔らかさに煮ます。一般のような圧力釜で蒸すと
 味が出ないそうです。湯量の管理を注意深く行うこの煮込み工程や、煮上がっ た大豆をほどよく冷やし、豆を引き締める工程は、味のポイントの一つです。
C煮た大豆をたらいに移し、わら(つと:苞)に盛り込みます。稲わらは天然 乾燥後、100℃15分で煮沸消毒し、乾燥室に入れ、乾燥しておいたものを
 使います。
D発酵室で約48時間発酵させます。
 時間をかけた自然まかせの発酵です。一般では16〜24時間です。
E発酵した後、冷蔵庫で約48時間低温熟成させます(一般では輸送も含めて
 12〜48時間です)。
F出荷に際しては全品検査を行います。

煮釜
発酵室
 ふくふくは大豆の仕込みから熟成まで7日間の日数を要します。他社のオートメーションの製造方法と大きく異なるところです。
 こうしてできた納豆の味は、冷蔵庫で保管すれば、製造日から1週間目あたりが一番おいしく、10日間は味や風味は落ちません。食べ残した納豆は、わらに戻さず密封容器に移し替えて、冷蔵庫で保存できます。長期保存は冷凍保存容器に入れ、冷凍します。冷凍での賞味期間は2ヶ月です。冷凍納豆は、自然解凍するとおいしく食べられます。

完成したわら納豆
製品
市販の納豆の問題点
 大豆が輸入大豆で、ポストハーベスト農薬や遺伝子組換えの問題があります。
輸入大豆は品種が油を多く含む油種系で、納豆にした場合、蛋白質を多く含む
国産の大豆より、味や風味が劣ります。
 大量生産される納豆は、柔らかくおいしく煮た場合、自重や落下衝撃に潰れてしまうので、それを避けるため堅めに煮ており、おいしい納豆になりません。
 ポリスチレン系のプラスチック容器入りの納豆は、容器の環境ホルモン溶出の恐れの他、アンモニア臭が発生しやすい。発酵時間が8〜12時間と短くなった場合のも死菌が発生しやすく、アンモニア臭が発生し、舌にピリッときたり、異臭がするものになります。
 最近では使用はなくなっているはずですが、以前は味付けにグルタミン酸ソーダの添加、アンモニア臭を防ぎ、劣化しにくいようショ糖を発酵助剤として補っていました。問題のある昆布エキス(キャリーオーバーがある)を添加しているメーカーが今でもあります。


     以上文責:西川栄郎


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