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世界に誇る幻の阿波番茶
カタログ”2005年9月4週”
清水克洋さん
  大樽にぎっしり漬けて乳酸発酵させ、
  真夏の陽射しのもと、ムシロの上で天日干し。
  赤ちゃんも安心して飲める阿波番茶、
  この夏の新茶ができました。


 徳島県那賀郡相生町は、那賀川の中流に位置し、緑の山々に囲まれた静かな農山村です。ここでひっそりと作り続けられている阿波番茶。名前に「番茶」とついていますが、いわゆる煎茶などを収穫したあとの二番茶、三番茶という意味ではありません。
 阿波番茶に関する記載は一般のお茶の本の中などでもほとんどありません。しかし、研究家の中では、世界に誇れる貴重なお茶と知られているものです。阿波番茶は中国から日本へお茶が伝来した当時のままの製法、後発酵茶として今も作り続けられているもので、同様な製法はミャンマーで確認されているくらいです。ウーロン茶、紅茶、高知の五色茶などと比較的近い発酵茶の仲間なのです。
清水克洋さんとご家族
 阿波番茶は一般の緑茶と違い、新芽ではなく成長したお茶の葉を原料とするため、もともと農薬をかけて栽培するようなお茶ではありません。製法上始めから無農薬なのです。また乳酸発酵しているため、カフェインやタンニンなども分解されていて、赤ちゃんにも安心して飲ませられます。 
 とくに風邪をひいて、脱水状態をおこしかけているようなときの水分補給に最適で、ひきつけを防いでくれます。また整腸作用にも優れています。死を迎えた病人が、他の飲み物を受け付けなくても、阿波番茶だけは飲めるという不思議なお茶なのです。
 昔は徳島では、くせがなく水がわりに毎日飲まれたお茶でした。しかし、一見豊かな時代の中でいつしかこの貴重なお茶が忘れられようとしています。
 かつて相生町では200軒以上の生産者がいました。しかし、今では清水さんを含めて10数軒となってしまいました。その生産者の中でも清水さんのお茶が一番おいしいと思います。それは、

@茶によくあった土壌と日光 
A今なお昔ながらの製法をかたくなに守っておられること
B代々棲みついている発酵菌がおいしい味を守っているからだと思います。
 毎日飲むお茶として最適です。

@茶摘み
A湯通し
清水さんの阿波番茶・・・乳酸発酵させる事でさっぱりとしたまろやかさ。
●原材料
阿波番茶に使われるお茶の樹は、他の茶どころのような「ヤブキタ種」でなく、中国から伝来した当時のままの「原種」です。清水さん自園栽培のお茶で、もちろん無農薬です。

●製法
@茶摘み
 5月頃の新芽ではなく、茶葉が成長した 7月の初旬に摘み取ります。枝から残ら ず全部の葉を小枝ごとむしり取るように しごいて取り、木は丸裸になります。昔は 茶摘みさんをたくさん雇えたが、今は大 変少なくなり家族総出の仕事になってい ます。
A湯通し
 収穫した茶葉は釜に沸かしたお湯に通し て(約10分)、お茶の酵素活性を止めま す。葉のアクを抜き、柔らかくする効果も あります。この時大量の水と薪が必要で すが、谷から湧き出る水と山の木で賄っ ています。薪でなく、ガスバーナーを使 う人も出てきていますが、どうしても香り のない製品になってしまいます。
B練り作業
 次に練る機械で茶すりをします。これに よって葉のしんが柔らかくなることと、お 茶の成分を引き出す効果があります。
C樽づけ
 この茶葉を乳酸菌が住みついている大 樽にぎっしりつけ込み、重石をして最低2 週間ほど発酵させます。発酵が十分にな った頃、樽から出して、もう一度練る機械 でよく茶葉をさばきます。
B練り作業
C樽づけ
D天日干し
 ムシロの上で茶葉を手でよく練りながら、 広げていきます。そして、真夏の太陽の もと天日干しをします。この作業は早朝 からしますが、昼頃よく乾燥させるため に、さらに3〜4回手で練りながら広げ直 します。天候の良い日は2日で干せます が、山間部の天候は変わりやすく、にわか 雨に悩まされます。出したり、しまったり の慌ただしい、天候の変化に目の離せな い作業です。
E選別・袋詰め
 これを選別し、袋詰めをすると出来上が りです。最初から最後まで入念な手作業 の連続で、食品というより伝統工芸品の レベルのお茶なのです。

●阿波番茶の保管
 紙袋のまま常温で1年以上保管できます。 他の生産者の場合、梅雨明けに多少変質 することもありますが、清水さんのは品 質がよく、保存がよくききます。阿波番茶 の4人家族の1年分は約1kgです。


D天日干し
阿波番茶のおいしい入れ方
やかんのお湯が沸騰してきたら、軽くひとつまみ入れ(入れる量は好きなように、気に入った濃さをお楽しみ下さい)、一度おさまった沸騰が再びしてきたら、それで火を止め、放置しておけばよいのです。

●熱いまま飲んでもよい。冷えたものを再度温め直 すと少し渋味が出ます。
●常温に冷めたものを、そのまま飲んでも。一般の お茶は翌日まで放置していると腐敗することがあ りますが、阿波番茶は乳酸菌のおかげで、翌日に なっても変質しません。昔、茶ガラをお棺の中に 防腐剤として入れていたくらいです。
●冷蔵庫で冷やして飲んでも。
●少し濃いめに作って紅茶のようにレモンやすだち を入れても。
●急須で普通のお茶のように入れることもできます。
●他の茶葉とブレンドしても美味です。


   ー文責 西川栄郎ー

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