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予防接種拡大に批判 「ワクチントーク全国」が東京で集会
通信872号資料記事
《インフルエンザは怖くない》
『ふえみん』紙 2005年3月5日号より転載  

 インフルエンザの予防には効果がないことが確かめられ、接種が中止されてきたはずのワクチン。効果がないだけでなく、副作用による被害者も200人を超えているのに再び接種が増えている。2月13日「ワクチントーク全国」が主催する集会「ワクチントーク05 子どもの病気とどうつきあいますか?」が都内で行われ、小児科医や予防接種被害者の親たちが、安易なインフルエンザ予防接種の復活を批判した。
 そのインフルエンザワクチンの製造量は、  1985年に1715万本だったが、予防接種の副作用の問題に取り組む運動の働きかけもあって、94年には30万本まで減り、法改正により学童の集団接種が中止された。
 しかし、副作用を軽視した国やワクチンメーカー、医学界、マスコミによる接種拡大キャンペーンによって95年から再び増加に転じた。2001年には予防接種法が改正され、65歳以上が接種の対象となったこともあり、04年の予定量は、2千万本を超えた。インフルエンザ以外のワクチンについても、2回接種や新規ワクチンの導入が進められている。
 山田真さん(小児科医、八王子中央診療所所長)は、この中で、インフルエンザの迅速診断キットの普及とインフルエンザの治療薬とされる薬剤(タミフル)が普及したことで、インフルエンザの自然治癒を目指す医療が孤立している事情を説明。
 さらに「3年ほど前にインフルエンザの検査キットやタミフルなどの抗インフルエンザ薬ができたのと前後して、インフルエンザは風邪じゃない、インフルエンザは怖いというキャンペーンが行われるようになったのは変な話。抗インフルエンザ薬を使わないと生命の危険があるという脅しがされている」と副作用を軽視した薬剤の販売拡大に疑問を呈した。
 山本英彦さん(小児科医、大阪赤十字病院)は、「ワクチンを広めるため、インフルエンザの怖さがあおられ、ペスト並みの扱いにされてしまった」という。また、病院の介護者や保育園の乳幼児などに半強制的な接種が拡大していると指摘した。
 山本さんは、インフルエンザ関連脳症にも、ほとんど日本でだけ増えているという特徴があり、子どもにボルタレンなどの強力な解熱剤を使ったこととの関連が疑われているという。にもかかわらず、この脳症はインフルエンザは怖い、と喧伝(けんでん)する材料に使われた。
 両医師ともに、ワクチンを接種してもインフルエンザにかかる割合は変わらないと強調。また、世界のタミフルの7割が日本で消費されているというが、インフルエンザにかかったときの心構えとしてこう語った。
 「風邪やインフルエンザは基本的に自然に治るもの。タミフルは人によっては素早く熱が下がるが、本来の病気の経過を1、2日短くするだけの効果しかない」 (山田さん)
 「インフルエンザに感染した子どもの約1割はけいれんを起こすので、24時間は水分を与えて寝ずに看病をするつもりでいた方がよいが、ゆっくり寝ていれば医者に来なくてもよい」(山本さん)
 04年10月から始まった「予防接種に関する検討会」は接種推進派で固められ、接種率を上げることばかりが話し合われている、と検討会の傍聴を続けている日本消費者連盟の古賀真子さんはいう。いくら予防接種は効かないという根拠を示しても、追及の手を緩めると、何事もなかったかのように、販売拡大キャンペーンが行われてしまう。マスコミの
報道姿勢や検討会での話し合いに注目したい。 

      ( 清水直子 )


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