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2005年10月17日 消費者リポート第1310・1311号より記事転載
報道によれば、超微粒子を売りにしたファンデーションなどの「ナノ化粧品」について、日本化粧品工業連合会(粧工連)は、独自試験などでその安全性を検証していくことを決めたそうです。 このナノ化粧品の「ナノ」は、「ナノテクノロジー」のこと。このナノという言葉は、もともとラテン語で「小人」を意味しますが、同時に「10億分の1」という意味でも使われています。つまり、ナノメートルは、10億分の1m=100万分の1mmということになります。ナノテクノロジーのナノは、このナノメートルのことを言い、ナノ単位で加工・測定する超精密技術のことをナノテクノロジーというわけです。すなわち、ナノ化粧品とは、成分をナノサイズにまで極微細化した化粧品のことを言うわけです。 粧工連が安全性の検証を決めたのは、微粒子(ナノ粒子)が、吸入などで体内の器官に入り込み、健康に悪影響を与える可能性を示す研究報告が出てきたためです。 2005年9月21日付『共同通信』でも、東京理科大の共同研究グループの研究で、ディーゼル排ガスを吸わせた妊娠中のマウスの胎児の脳や精巣組織に、排ガスに含まれる超微小粒子(ナノ粒子)が母体から移行して沈着、周囲の細胞に変性を起こしている可能性が高いことがわかったと報じられています。この報道では、同グループでは「ナノテク産業が生み出すナノ粒子についても、生体内での挙動や影響などを詳しく調べる必要がある」と指摘したとしています。 そのほか、「ナノ粒子の一種でサッカーボール状の炭素分子フラーレンを入れた水で飼育した魚の脳細胞が傷付く可能性がある」「ラットにナノ粒子を吸わせると、神経を経由して脳に入り込んだ」などの報告が04年にアメリカで相次ぎ、またイギリス王立協会は04年7月、物質がナノサイズになると、反応性や性質が変わると指摘して、同じ成分でもナノサイズの物質は新規物質として安全性を検討すべきだとの報告書をまとめたそうです。 粧工連が05年2月に会員企業に対して行なったアンケート結果では、回答した478社の4分の1に当たる122社が「ナノ粒子を使っている」と答えています。 (05年9月20日付『毎日新聞』よりまとめ 吉村英二)
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( 代 表 )
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