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川と海を守る源流米
カタログ2012年11月3週号
源流のきれいな水で栽培されたおいしい米。

◆四国吉野川の源流で米作り
 四国第一の河川、吉野川の最上流部、標高400〜600mの高知県れいほく地域(土佐町、本山町、大豊町)の棚田で、吉野川源流米生産グループの式地 寛肇代表らは、無農薬もしくは低農薬で米を栽培しています。
 源流米運動の言い出しっぺは、高知生産者連合の松林 直行代表と、徳島時代の私、現オルター代表の西川榮郎です。当時、吉野川を遡って合成洗剤の追放運動に取組んでいました。農薬も川を汚し、人の健康に障害を与えるものですので、吉野川の最上流部の農家にも協力してもらい、川を守っていこうという趣旨から「源流米」と名付けました。上流の民と下流の民が手を結び、上流では安定的な米作りを、下流の徳島県や香川県では安全な米を食べられるようにと考えました。この活動の始まりは1992年9月23日の朝日新聞の記事で紹介されました。
 当初は、土佐町相川高須地区の式地 寛肇代表ら4軒の農家で出発しましたが、現在はJA土佐れいほくを中心に本山町、大豊町にも栽培地域が拡がり、農家も22軒を超えています。JA土佐れいほくでは、源流米で「棚田の米粉」の加工も始めており、減農薬栽培に参加される農家はさらに拡大しています。
 源流米の運動を始めた当初、農協はまだまだ非協力的でしたが、今ではすっかり協力的になり時代は大きく動きました。源流米を始めた当初、式地 寛肇代表は町会議員でした。その後、県会議員にもなられ、それだけこの活動の影響力も大きくなったのです。

◆そのまま飲める灌漑の水
 相川米は高知県内一おいしい米としてトップブランドの米です。昼夜の寒暖の差が15℃と大きく、山間地の米ならではの味です。田んぼに引く水は原生林から流れ出し、吉野川の源流のひとつ、「鍋割谷の取水口」から引かれています。田んぼのそばでこの灌漑水をそのまま飲むことができるくらい、きれいな水です。この水路は、大正2年〜14年に人力による大工事の末、完成し、「大正井」と名づけられたもので、村の人々にとって特別の想いがある農業用水です。

◆無農薬米と除草剤1回の米
 米の栽培方法は、当初減農薬でした。現在では「無農薬」「除草剤1回」「殺虫剤1回、除草剤1回」と農家によって幅があります。式地 寛肇代表、関口 巌男さんらはアイガモを使った除草、人力による手取り除草、深水管理で除草など無農薬栽培をしています。肥料もオール有機です。オルターでは原則として「無農薬」「除草剤1回だけの低農薬」の米を紹介しています。
 最近は田んぼにニガリ(海のミネラル)を散布する農家が増えています。稲株をひっぱっても抜けないくらい根の張りが良くなり、稲株自体も大きくガッシリ育ち、病虫害にも強く、米の食味も上るからです。
 黒瀬町の海工房のニガリを土佐町の棚田地帯で散布し、式地さんの無農薬栽培の稲ワラは、黒瀬町でワラ焼き鰹に使っています。

◆棚田の米粉
 減農薬うるち米100%「棚田の米粉」は、小麦の薄力粉とほぼ同程度の細かい粒度40〜50ミクロンで、デンプン損傷率はわずか3.7%と良質です。衝撃の大きい高速粉砕機ではなく、渦流式の微粉砕機スーパーパウダーミルを使って製造しています。
 市販の米粉で減農薬のものはほとんどないのでおすすめの米粉です。


吉野川源流米生産者グループの減流米
■生産者
式地 寛肇、式地 尚一、式地 利彦、池添 守、沢田 清敏、川井 政徳、川田 司朗、澤田 忠、
田岡 万弘、澤田 進、和田 府美、和田 昌文、秦泉寺 護、細川 盛次、曽我部 道雄、田岡 暁、
長野 昌幸、稲垣 栄、近藤 裕司、千頭 久男、筒井 修司、和田 憲夫

■米の品種
ヒノヒカリ

■農薬
●農薬不使用のものと本田除草剤(ネピロスラジカルジャンボ3成分または同種の除草剤)
1回の低農薬のものがあります。

●種子消毒はお湯を使った温湯殺菌。
育苗期間中に苗箱に混合剤(嵐ダントツ顆粒剤)を1回使用する生産者、しない生産者がいます。

●殺虫剤1回、除草剤1回の生産者もいますが、オルターでは原則として取扱いをしていません。

●肥料
土佐町内で飼育されている牛のフンを堆肥センターに集めて、牛フン堆肥を作っています。
また草堆肥(肥之座)も作っています。
無農薬栽培している式地 寛肇代表、関口 巌男さんらはオール有機肥料です。
除草剤1回の低農薬米ではケイカル、マルチサポート、スーパーシリカなど有機化成肥料も使っていますので、厳密には有機農業とは呼べません。
肥料は出来るだけ控えて使うようにしています。使いすぎると倒伏しやすくなり、
食味も落ちます。病虫害にもやられやすくなるからです。
最近はニガリを散布する農家が増えています。

●玄米からモミと石を取除いています
源流米は高生連のモミ抜き玄米ラインで「モミと石」を取除いています。
玄米用色彩選別機で「目立ったカメムシ被害粒、草の種子、稲こうじ菌など」を
取除いています。
揺動式モミすり機で「モミ」を、石抜き機で「石」を取除いています。



―文責 西川榮朗(NPO 安全な食べものネットワーク オルター代表)―




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