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石けんは洗浄力、洗い上がり、泡立ち、泡切れ、経済性、環境に優れています
カタログ2010年5月2週号
合成洗剤は危険。「弱酸性」「アミノ酸系」「非イオン系」のテレビCMに騙されないで。


◆あらゆる面で石けんが優れています
 石けんは体にやさしく安全なのはもちろんのこと、洗浄力、ソフトな洗い上がり、泡立ち、泡切れ、経済性においても合成洗剤より優れています。また、環境に出た後も微生物のエサとなって生物分解されますので地球にやさしいのです。
 それに対してテレビCMに登場する洗剤(合成界面活性剤)は、アトピーなど皮膚障害の原因となるだけでなく、肝臓障害など深刻な病気の原因になります。
 洗剤メーカーは合成洗剤の欠点を隠すため、蛍光増白剤(発ガン性が問題)を使って白く洗えるように見せかけ、リンスや柔軟剤(毒性の強い陽性界面活性剤)を消費者に使わせてゴワゴワ感をなくしています。「弱酸性」「アミノ酸系」「非イオン系」「高級アルコール系」などの巧みな謳い文句に騙されないようにしましょう。
 最近一番の問題は、洗濯機に石けんが使えないかのような表示をしている家電メーカーがあることです。もちろん石けんで洗えます。

◆消費者とともに
 太陽油脂(株)は体や環境にやさしい石けんを精力的に生産しているメーカーです。昔ながらのシンプルな石けんだけでなく、初心者向け・若者向けに使用感を高めたシャンプーや、食器洗い機専用石けん、ドラム式洗濯機用石けんなど多種類の製品を作り、消費者の石けんライフを支えています。太陽油脂(株)家庭品販促・開発部長の長谷川治取締役は、石けんの開発・研究・普及活動に陣頭で取り組んでいます。
 太陽油脂(株)は1947年に食用油脂の会社として創業しました。そのいわば副産物から石けんを作り始めました。1955年電気洗濯機の登場とともに、1960〜70年代に入って合成洗剤が大量生産され始めた頃、全国の河川に泡公害が起こり、水道水汚染も社会問題となりました。また、台所洗剤による手荒れや主婦湿疹が問題となり「やっぱり石けんが良い」という声があがりました。そして全国の消費者団体、生協、水道労組などが立ち上がり、これらの声はやがて大きな合成洗剤追放運動となりました。太陽油脂は数少なくなった石けんメーカーのひとつとして、この石けん運動とともに歩んできました。
 1980年には琵琶湖の水を守ろうという琵琶湖条例に結実し、この石けん運動は高揚期を迎えました。しかしその後、「無リン洗剤」「酵素入り」「複合石けん」など合成洗剤の正体をあいまいにする合成洗剤メーカーの巻き返しが続いています。
 太陽油脂(株)は、これら合成洗剤メーカーのごまかしを批判し、石けん運動に取り組んでいます。とくに北海道の厚岸町や白川郷などで石けん運動を支えています。オルターも扱っているカキの生産地・厚岸湾では1983年頃、養殖カキの大量死をきっかけに石けん運動が拡がり、厚岸町が全国に先駆けて石けん製品への助成制度を始めました。また厚岸湾の後背地をラムサール条約に登録しました。

◆環境を大切にしています
 太陽油脂(株)は単に石けんメーカーとしてではなく、このように私たち消費者団体・市民団体とともに環境を守る活動に取り組んできました。詰替容器の積極的な製品化は、プラスチック製品を少しでも減らそうという試みです。石けん工場の運転に太陽光発電、コージェネレーション(熱電併給)システムを導入しています。小学生を対象に手作り石けん教室を熱心に開いています。
 私と太陽油脂の出会いは1974年からです。オルターの前身「徳島暮らしをよくする会」が1976年正式に発足する前に「徳島暮らしをよくする会 合成洗剤を追放するグループ」として石けん運動を始めたときに、朝日新聞の「家庭欄」に紹介されていた岡山県の藤森商店から太陽油脂の品物を届けていただいたのがきっかけでした。


太陽油脂(株)の石けん
■原料
●石けん素地の原料油脂
ヤシ油(フィリピン産)、パーム油(マレーシア産)、ひまわり油(アメリカ産)、オリーブ油(イタリア、スペイン産)、ラード(豚由来・国産)、米油(米ぬか由来・国産)、マカデミアナッツ油(ケニア産)
※天然油脂が主原料です。それぞれの油脂がもつ脂肪酸の種類(ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸など)による特性を活かし、製品別に原料油脂を使い分けます。

●石けんを酸化するためのアルカリ
カセイソーダ、カセイカリ(原料は塩)

●洗浄力を高めるためのアルカリ助剤
炭酸塩
※「ナチュロン純粉石けん」「ナチュロン洗濯用液体石けん」は、アルカリに敏感な毛や絹も洗えるように助剤を入れていません。その他の洗濯用石けんには、石けんの洗浄力を高める役割をするアルカリ助剤として炭酸塩を配合しています。炭酸塩は、特に汗などの酸性のものや汚れのひどい時には石けんの洗浄力を発揮するのを助けます。

●使用感を高めるための副原料
グリセリン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、エタノール、ヒノキチオール、海塩、砂糖、葉緑素(銅クロロフィリンNa)、褐藻、トコフェロール、ハチミツ、ミツロウ、シア脂、カルナウバロウ、ホホバ油、スクワラン、オニサルビア油、ニュウコウジュ油、ラベンダー油、ローズマリー油、アニス油、レモングラス油、ユーカリ油、ローズウッド油、ゼラニウム油、ベチベル油、オレンジオイル、ハッカ油、スペアミント油、ティーツリー油、ムクロジエキス、カミツレエキス、マンダリンオレンジ果皮油、シソエキス、ボタンエキス、キタチアロエエキス-2、ビワ葉エキス、チンピエキス、クマザサエキス、シラカバエキス、ヘチマエキス、ローズ水、カワラヨモギエキス、ウイキョウエキス、茶エキス、甘草エキス、酸化チタン、シリカ、タルク、トコトリエノール、ミルラ、ニュウコウ、カラギーナン、キサンタンガム
※合成界面活性剤、蛍光増白剤、リン酸塩、合成香料、合成着色料、合成酸化防止剤、防腐剤などは一切使用していません。

■製造工程
原料油脂に含まれる脂肪酸をアルカリ(カセイソーダやカセイカリ)で鹸化した石けん素地に、各製品ごとに各成分を配合して作っています。


合成洗剤の問題点
 台所洗剤の誤飲による死亡事故、浴室での液体洗剤(酸性)とカビ取り剤(次亜塩素系)との混合で発生する塩素ガスによる死亡事故が起こっています。
 通常の使用によっても、アトピー、手荒れ、全身湿疹、抜け毛などの皮膚障害、肝臓障害、血液障害、酵素の働き阻害、環境ホルモン、精子障害、発ガン助長、川崎病(濃い疑い)が問題となります。シャンプー、ボディーソープ、手洗い、歯みがき、台所使用などで人体に直接触れることは論外として、洗濯物を肌につけても洗剤が残留しているので危険です。近年、お産のときに羊水からシャンプーの匂いがするケースもあるとの指摘もみられます。
 家庭下水から環境に捨てられた洗剤は魚など水生生物、とくに卵や幼生に深刻な影響を与えています。また、河川を汚し飲料水も汚染しています。1999年、PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)が制定され、合成洗剤に使われているLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)やAE(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)など6種類が第一種有害化学物質に指定され、さらに2009年指定物質の見直しが行われ、ラウレス硫酸Na(合成シャンプー・ボディーソープの主成分)ラウリル硫酸Na(歯みがき剤に使われる)など4種類が新たに第一種に指定されたことにより、合成洗剤が有害であるか否かの論争は決着をみたといえます。
 合成洗剤は農薬と並ぶ環境汚染の元凶です。追放して魚の豊富な海を取り戻したいものです。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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