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石臼小麦 国産・有機無農薬小麦で登場です
カタログ“1999年11月3週”
 大陽製粉の古賀脩平社長がドイツの製粉工場を見学されたおり、ドイツではその土地土地に、今なお石臼碾きの製粉工場があり、その小麦はその土地の人々が食べているという風景に出会われました。
 石臼碾きは現在の日本のほとんど全ての製粉会社で行っているロール挽き(鉄製)と比べて、熱の発生が抑えられるため、小麦が自然に持つ蛋白やビタミン、ミネラルなどを損いません。小麦が本来もつ栄養分や味、香りが損われない小麦粉になります。まろやかで、ふんわりと優しい仕上がりの粉になるのです。
 この石臼碾きの小麦粉をなんとか日本で実現したいと考え、大陽製粉は本社が福岡市にありますが、会社発祥の地、福岡県筑後市に残っている(株)筑後製粉所に4基の日本で初めてのヨーロッパの大型石臼機(直径1.5m)を3年前に導入されました。この石臼で碾く小麦は地元、筑後平野の完熟小麦(品種:チクゴイズミ)100%ですが、今年からさらにこだわり、「ふくおか合鴨水稲会(麦部会)」(中島秀虎部会長)と提携し、国産・有機無農薬小麦(チクゴイズミ)の小麦粉を実現されました。「チクゴイズミ」はもちもち性があり、とくにうどんやすいとん(だんご汁)に向いています。
大陽製粉 古賀脩平社長
◎大陽製粉の石臼小麦粉
●無農薬石臼小麦  月いずみ(国産・有機無農薬石臼小麦、品種 チクゴイズミ)
 小麦の生産者ふくおか合鴨水稲会(麦部会)が協力しています。アイガモを使って無農薬栽培した田んぼの裏作で、有機・無農薬栽培の小麦を生産しています。秋にはちゃんと昔ながらの麦踏みもしています。



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月いずみ(左) 中島秀虎さん(ふくおか合鴨水稲会(麦部会)部会長)(右)
<製造工程>
大型石臼機でゆっくりとした回転で碾きます。他の一切の小麦の混入はありません。ポストハーベスト農薬など一切の薬品の使用はありません。原料の小麦がまだまだ少ないため限定販売です。売り切れしだい中止となります。




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大型石臼機
●無農薬石臼全粒粉(国産・有機無農薬石臼小麦、 品種 チクゴイズミ)
上記、国産有機無農薬石臼小麦の全粒粉です。(左)

●国産石臼小麦  月いずみ(国産・石臼小麦、品種 チクゴイズミ)
原料の小麦  筑後平野の小麦(チクゴイズミ)
製造工程  上記と同じ (右)
※現在取り扱っているのはこのタイプです。


無農薬石臼全粒粉(左)国産石臼小麦(右)
市販の小麦粉の問題点
・ポストハーベスト農薬(収穫後農薬)
アメリカから日本に運ばれてくる小麦は農家の小型サイロ、ミシシッピー川を運ぶはしけ(フェリーボートより大きい)、輸送港の貯蔵倉庫、太平洋を輸送する船、日本で上陸したあとの貯蔵倉庫などで約5回農薬が混入されています。このポストハーベスト農薬の主役は1〜2年ほど前までは「スミチオン」「マラチオン」などの有機リン系農薬でした。最近の小麦からは有機リン系が姿を消したようですが、「レルダン」など他のポストハーベスト農薬を使っていることには変わりありません。殺菌剤として、菌(生命の基本単位、単細胞動物)を殺せる、いわば殺生命効果、殺細胞効果のある農薬を食べ物に混入することは人道的に許されるはずのない行為です。
・栽培農薬や国内でのポストハーベスト
国産の小麦だからといって、無農薬とは限りません。通常は等級を気にして農薬を撒くのが一般的です。また、製粉工場でもコクゾウ虫対策に臭化メチル薫蒸を一般的には行います。臭化メチル自体は気化しますが有機物と反応して、発ガン性のある臭化化合物になるので安心できません。また、臭化メチルはオゾン層破壊の原因物質の一種です。
・国産小麦も国産100%とは限りません
通常の製粉ラインでは、各ロットごとの小麦を76通りくらいに表面から芯までの部位をすり分けています。それをパン用、うどん用、畜産用、ペット用などに再配合しています。通常製粉会社は国産小麦と輸入小麦の両方を購入していますので、当然この再配合で混合してしまいます。国産小麦は品質にバラつきがあって、パン屋さんなどが焼きムラをおこすものとしていやがるので、かつて、国産小麦が50%以上混じっているものは輸入小麦100%のものより安く取引されていたことがあるのです。「国産小麦使用」という表示があっても、その「使用」が5〜10%のものや、「国産小麦」の表示が業界では50%以上のものを示すので、単に国産小麦といっても100%でないことが多いのです。
・以前は漂白されていたこともありました
現在のロール挽きの小麦粉は、より色の白い粉、灰分の低い粉作りを目指しています。色は白いが味が物足りないのです。なぜか?実は小麦が本来もつミネラルや繊維分は、皮と皮に近い部分に多く含まれているのです。今は、ほとんどなくなったと思いますが、以前は白く漂白されていたこともありました。


   ―文責 西川栄郎―


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