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百姓屋敷じろえむの平飼い有精卵
カタログ2015年7月2週号
三芳村の有機農業運動が出発点
◆安全にこだわったたまご
 千葉県南房総市の山奥で、百姓屋敷「じろえむ」(治郎右衛門)の稲葉 芳一さんは、ニワトリに家の周りで入手できる飼料やPHF(ポストハーベスト農薬フリー)、NON-GMO(非遺伝子組み換え)のとうもろこしなど、可能な限り安全にこだわったエサを食べさせ、ヤマギシ式の開放鶏舎で平飼いしています。1棟当たり15坪の鶏舎に坪あたり10羽程度のニワトリを放しています。雄トリも雌10羽に対し1羽の割合で入れており、有精卵です。
  たまごは、関東の消費者団体のほか、レストランやケーキ屋が固定的に購入しており、このたまごを使ったら他のたまごは使えないと評判になっています。オルター取り扱いの松田のマヨネーズの原料たまごにも使われています。

◆自給自足の食材で農家レストラン
 稲葉さんは、養鶏のほか畑2反、田んぼ7反を耕す、14代目の農家です。農業技術は自然農法の大家、露木 裕喜夫さんの指導を受けました。その自園で収穫した米や野菜、果樹、たまご、廃鶏加工品、餅や、裏山で獲れる山菜など、いわば自給自足のおすそ分け食材を使う農家レストラン百姓屋敷「じろえむ」も経営しています。レストランの屋号「じろえむ」は、江戸時代の初代、稲葉 治郎右衛門にちなんで名付けました。
 レストランにしている百姓屋敷は築300年のたいへん立派な茅葺き屋根の母屋を改装しています。予約客は1日数人を受け入れています。その百姓屋敷のたたずまいの素晴らしさ、90歳の母のち江さん(料理長)や奥さんの彰子さんの作る漬けものなど絶品料理の評判も相まって、東京方面からのお客さんが絶え間なく訪れています。グリーンツーリズムのまさにはしりとなったレストランです。有名芸能人などもおしのびで訪れています。
 今年2015年5月4日放映のNHKの朝ドラ「まれ」で、この百姓屋敷が舞台として使われていました。

◆有機農業の草分け、三芳村の運動が原点
 稲葉芳一さんのお父さん、懿さんは関東で生産者の有機農業運動の草分け団体のひとつとして有名な「三芳村生産グループ」を創立メンバーとして、仲間17軒の農家とともに立ち上げました。オルターの顧問、青木紀代美さんも参加していた「安全な食べ物を作って食べる会」からの呼びかけに応じて、1972年結成されたものです。「安全な食べ物を作って食べる会」はよつ葉牛乳運動を関東で始めた岡田 米雄さんが提唱した団体です。
 有機農業を始めて、家の周りや田んぼに蛍が戻ってきたそうです。農薬や化学肥料を使うことで、どれほどかけがえのないものを失っていたか、改めて気づかされたそうです。

◆消費者の理解なしには
 稲葉芳一さんは、小学校5年生のときお父さんが交通事故に遭って仕事ができなくなっていたこともあって、農業高校を卒業した年の1973年、「三芳村生産グループ」に参加して10月に有機農業を始めました。19年間がんばりましたが、事情があって1993年、その会をやめました。やめてから経営の柱にと始めたのが、1500羽でスタートした養鶏でした。
 当然のことですが、当初は苦労の連続でした。作るより、売ることが難しいことを経験してきました。価値のある、こだわったたまごは、どうしても生産コストが高くなるため、それを理解してくれる消費者との出会いなくして有機農家は成り立ちません。

◆農的暮らしの学びの場
 1989年には、学生や消費者団体の主婦の人達の農的世界の体験学習の場として「三芳村自然塾」を千葉大や東京農大などの仲間と一緒に立ち上げました。商船三井のOLだった奥さん、彰子さんとは、縁農のため消費者が建てた宿泊所「みんなの家」で出会いました。
 1990年には三芳村で計画されたゴルフ場建設に反対し、その計画を白紙撤回させました。ゴルフ場での町おこしの代案提案として「三芳村蛍まい研究会」を立ち上げ、有機農業での米作りで環境を守るということで、消費者に米を届ける活動を行いました。
 百姓屋敷「じろえむ」を始めたのは1997年、維持管理費用が大へんな昔からの大きな構えの家を、多くの人に見てもらい、せめてその維持費用くらいは稼ぎたい、さらに有機農業の安全な食材を食べてもらって有機農業をわかってもらいたいと始めました。人間が自然の一部で生きていくこと、お互いが信頼し合って生きていくこと、皆が健康で仲よく暮していける場所にしたいと考えています。
 百姓屋敷「じろえむ」のたまごのオルターへのご紹介は、青木 紀代美オルター顧問(関東消費者代表)からです。


百姓屋敷「じろえむ」の 平飼い有精卵ND
■ニワトリの品種
後藤孵卵場 国産鶏「ゴトウもみじ 130号」

■エサ
●PHFとうもろこし
(株)ゼンケイ PHF、NON-GMO アメリカ産
●PHF大豆粕
(株)ゼンケイ PHF、NON-GMO インド産
●PHFグルテンミール 
(株)ゼンケイ PHF、NON-GMO アメリカ産
●脱脂糠
(株)ゼンケイ 千葉県産、埼玉県産
●炭酸カルシウム(石灰岩)
(株)ゼンケイ 埼玉県産
●リン酸カルシウム
(株)ゼンケイ 国産
●魚粉
(株)ゼンケイ 北海道産 防腐剤無添加
●カキガラ
広島県産
●米糠
自園産
●クズ米
自園産
●野菜くず
自園産
●緑餌
自園産
●食塩
公社塩

これらを自家配合し、乳酸菌((株)ゼンケイ 乳酸発酵飼料 … 乳酸菌・米ヌカ(静岡県産))で発酵して給餌

井戸水

抗生物質、黄身を着色する着色剤などの使用はありません

■飼い方
ヤマギシ式開放鶏舎で平飼い
飼育密度 坪当たり10羽程度
雌10〜20羽:雄1羽

★無洗卵
たまごの天然の防腐剤クチクラ層を破壊しないよう、合成洗剤などによる洗浄は行っていません。
定期的にサルモネラ菌検査を実施し、検出されていないことを確認しています。     


―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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