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今どき「むしろ麹」で作る かねさ味噌
カタログ“2000年11月1週”
 今どき珍しく、お味噌をむしろ麹で作っているかねさ味噌本舗(徳島県板野郡)の代表者は田中照子さんです。そのお母さんのアサエさんと2人の女手が中心で、こだわりの味噌作りをされています。照子さんの亡くなられたご主人が、ハチミツの生産者山口邦義さんのお兄さんだったことで、私たちとの出会いがありました。


田中照子さん(左)、アサエさん(右)
かねさ味噌本舗の国産原料の味噌
●田舎味噌(米麹味噌)
  味噌は大豆だけで作る「豆みそ」(その代表は八丁みそが知られていますが、今は昔の物とは全く別物になっています)と米麹を混合する「米麹みそ」に大別されます。 
  米麹味噌は御膳みその名前でよく市販されています。


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むしろ麹を作る室
●田中さんの田舎味噌は米麹味噌です。
原料:国産大豆、国産米、伯方の塩(伯方の塩は、四国の生協との関係で使われていますが、元通りの赤穂の天塩へ切替えていただく予定です)
≪作り方≫
  砕いた国産米を蒸して、むろの中で麹菌で糖化します。このとき、昔ながらの稲ワラを編んで作った「むしろ」を使っています(写真左下に、むしろを折りたたんで積み重ねたのが見えます)。みそ作りの一番の苦労はこの麹作りの温度管理で、とくに冬は難しいのです。照子さんは亡くなったご主人をよく手伝っておられたので、その技術を修得されていました。
  蒸した大豆6にこのむしろ麹4を混合し、粉砕したものに塩を加えて攪拌し、熟成させます。熟成期間は長いもので1年、最低でも5〜6ヶ月です。通常、熟成は外気温で行っています。但し冬期には10日くらい温醸しています。
  防沸剤などの食品添加物は一切使っていません。
  なお、むしろ麹のため、非常にまれにではありますが、「わら」くずが味噌から出てきてクレームになることがあります。しかし、伝統技術で作っているため、ご理解いただき、わらくずを除いてお食べいただきますようお願いいたします。

●白味噌
原料:国産大豆、国産米
作り方
  国産大豆5:米麹(むしろ麹)5で、塩を少なくして作ります。
  この品物はすぐに袋がパンパンに膨れてきますが、不良品ではありません。塩分濃度が低いことと防沸剤が入っていないために生じることです。袋詰めの後に加熱すれば膨れなくすることはできますが、整腸作用のある、せっかくの発酵菌を殺してしまわないよう、加熱は行っていません。
●無農薬大豆味噌
  この取扱いは当分休ませていただきます。理由は原料の無農薬大豆の、無農薬であることの確認が現在のところ取れていないためです。確認でき次第、もしくはオルターの指定する原料に切替え次第再開する予定です。

●赤だし味噌
  味噌は「合わせ味噌」といって、異なる味噌を混合すると、それぞれの長所が伸び、欠点が消される性質があります。この「合わせ味噌」を利用した代表的な味噌が「赤だし味噌」です。
  田中さんの赤だし味噌は、田中さんの米麹味噌(田舎味噌)に、オルターの生産者である佃さんのねさし味噌を約3:1で混ぜた物です。佃さんのねさし味噌は、豆みそです。蒸した国産大豆を家付きの菌だけで発酵させ、塩水につけたものです。このねさし味噌は、元々は尾張地方独特の製法で、例えば八丁みそ(現在のものは全くお薦めできません)が有名ですが、今や日本国内で市販されている味噌としては、この佃さんのところにその技術が残されているくらいです。佃さんのねさし味噌のルーツは江戸時代に尾張出身の蜂須賀家が阿波藩主になって伝えられたものです。ねさし味噌の詳しい報告は後日の予定です。


一般市販の味噌の問題点
 まず原料の大豆や大豆のポストハーベスト農薬、遺伝子組換えが問題です。お米も国産米でも通常はくず米やカドミウム米など安い米が流通しています。最近では輸入米(ポストハーベスト農薬)も使われ始めています。
  これらを原料に温醸で短期間に仕上げ、グルタミンソーダー(脳障害)、昆布エキス、鰹エキス、鰹節粉末、甘味料(甘草、ステビア・・・催奇形性)、砂糖などの調味料で味付けをしたり、水アメ(ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え)などでつや出しをしたりしています。
  本来、味噌は発酵食品の代表で、その発酵菌は腸内細菌の正常な状態を保つのにとても大切な役割をしてきています。昔の市場のように、樽に味噌を盛り上げて売り、木皮のふねにその都度入れて売っている時代にはよかったのですが、今日のようにポリ袋に袋詰めされる時代になって、生きている味噌は袋がやがてパンパンに膨れてきます。そういうことを知らない消費者はそれを不良品と思ってしまう恐れがあるため、メーカーではソルビン酸などを防沸剤としていれたり、加熱処理をしたりしているのです。そのため、せっかくの発酵菌が死んでしまって、もはや発酵食品とはいえないものになっています。
 その他、漂白剤(次亜硫酸ナトリウム)、カラメル色素、ビタミンB2、酒精(エチルアルコール)なども使われています。 


   −文責 西川栄郎―




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