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地球にも、お尻にもやさしい牛乳パックのトイレットペーパー
カタログ“2000年11月4週”
 牛乳パックに使われているパルプは、カナダの杉のバージンパルプなどを使っており、大変良質なものです。日本国内で1日に使われている900万枚の牛乳パックを作るのに必要な木は、6,000本(森林面積にして2ha)にも及ぶのです。
 地球環境を考えるリサイクル運動の盛り上がりの中で、亡くなられた平井初美さんが代表をされていた牛乳パック連を先頭に、この牛乳パックを回収しようという運動が全国に広がりました。私たちよつ葉牛乳を共同購入する団体としても、当然この牛乳パックを回収する運動に取りくみました。よつ葉乳業も、賛同していただいたのです。
 ところが、肝腎な回収業者や製紙工場を見つけるのに、最初の苦労があったのです。なぜなら、よつ葉牛乳のパックは、未さらし(無漂白)の茶色のパックであり、通常の牛乳パックのリサイクルのシステムからは回収を断られたのです。
 また、専属的に回収、再生しようとしても、再生されたトイレットペーパーが茶色っぽくなるために、多くの回収業者や製紙会社は尻込みをしました。そういう経過の中で、私たちの運動に共鳴していただいたのが、産業古紙の回収に手堅い実績を持つ、東京の山田洋治商店と、牛乳パック再生の全国トップメーカーである静岡県富士市の丸富製紙だったのです。こうして1990年10月から、よつ葉牛乳のパックリサイクル運動は出発できたのでした。
 苦労のすえ完成したトイレットペーパー「ピュアブラウン」は、大阪大学の森住先生(リサイクル工学)も絶賛する国内のトイレットペーパーの中で最高の品質を誇るものです。赤ちゃんのお尻を拭いた時に、他の製品だとかぶれてしまうのに「ピュアブラウン」では症状が出なかったという話もあって「地球にもお尻にもやさしい」という宣伝文句が生まれたりしたのです。
 しかし、少し茶色っぽいということで、消費者から敬遠されたり、他の安物トイレットペーパーと比較して割高感があるということでなかなか支持されていないのが現状です。生産量より消費量が少ないため、その分がよつ葉乳業の負担となる現状が続いています。さらに、この回収費用も負担していただいており、牛乳を飲んでいる消費者側の自覚が求められているのです。
 古くから、下水道施設が完備した欧米では使い捨てになるトイレットペーパーは、無駄を省いた無漂白が常識です。トイレットペーパーに白さを求める日本は、後進国といわざるを得ないのです。
 「出口のないリサイクルは成り立ちません」。一方で牛乳パックを回収していても、もう一方でバージンパルプの商品を使う、これではリサイクルは成り立ちません。実際、純パルプ製のトイレットペーパーの方の流通量が多く、消費も伸びています。これも最近の古紙価格暴落の一因です。
 私たちはリサイクルペーパーを買うという発想から一歩進めて、使用後の牛乳パックを丸富製紙に委託してトイレットペーパーに再生していると考えてはいかがでしょうか。




大地の色のトイレットペーパー「ピュアブラウン」
原料は未ざらしパック
  ピュアブラウンは、上質系古紙によつ葉牛乳の未ざらしパックを30〜35%混入して作られている100%再生紙です。牛乳パックが100%でないのは、牛乳パックだけだと良質すぎて繊維が長く、溶けが悪くなってしまうからです。牛乳パック10枚で1ロールできる勘定です(100%なら)。
無漂白で作られています。
  一般的にはインク分散機にかけられた後、漂白工程を通りますが、ピュアブラウンはこの漂白工程を通りません。したがって、ダイオキシン汚染の心配はありません。  
また漂白剤などの化学薬品が残留していませんので、肌にやさしいのです。
使い心地が最高
  繊維の長い牛乳パックパルプの高率混入で使い心地が大変やわらかです。短い繊維だけだと、溶けやすいのですが、どうしてもかたくなるのです。ピュアブラウンはやわらかく、かつ溶けやすいのです。無漂白で繊維をいためていないこともソフトな理由です。また、使いやすいようにずれないミシン目のエンボス(凹凸加工)になっています。
  使用時には15cmごとに少量ずつ経済的に使えるようミシン目が入っています。
姉妹品のティッシュ「ローヤルティッシュ」
  牛乳パック100%でできたティッシュペーパーです。


牛乳パックを回収しています。
 牛乳パックは、パックののり付けのところで広げて、洗浄して、乾燥した後ある程度まとねて配達時にお出し下さい。
  回収された牛乳パックはオルターまで集めて、牛乳が届く便で返送され、最終的には山田商店→丸寓製紙へと送られていきます。未ざらしゆえに特別ルートとなっており、その回収費用はよつ葉乳業の負担となっています。
  牛乳パックのポリエチレンは焼却してエネルギー源として利用。油を使わないので排煙がありません。また製紙スラッジも焼却灰として商品化。製鉄工場の保温剤などの用途に使われています。二次廃水も全て活性化して再利用されています。



市販のトイレットペーパーの問題点
 木材からパルプを作る際、リグニンという成分を多く含むので、塩素を使って漂白すると、ダイオキシンが生成されるのです。このダイオキシン汚染が問題となって、現在では過酸化水素を使う漂白への切替が進みました。リグニンをほとんど含まない上質紙からトイレットペーパーを作る場合、塩素漂白してもダイオキシンは発生しにくいのですが、上記の理由で過酸化水素漂白が一般的になっています。しかし、たとえ酸素系の漂白でもコストが高くつきますし、設備も必要で、少なくともトイレットペーパーに関しては漂白は無駄と考えるべきでしょう。
  市販のトイレットペーパーでかぶれることがありますが、これは歩留りをよくするために十分洗浄しない場合、使用している薬品が残留することがあったり、もともとの古紙の薬品が原因と推察されます。漂白剤、苛性ソーダー、亜硫酸ソーダーなどが使われています。パルプは本来、無臭ですので、変な臭いを感じるトイレットペーパーの使用は敬遠した方が無難です。
  トイレットペーパーは各製造メーカーごとに品質がバラバラです。特売品などは薄すぎたり、もろかったりします。しっかりした分量がないものもあります。肌触りがかたく、とげとげしいものがありますが、効率優先で高速ですく場合、強制脱水で短い繊維が立っているということもあるのです。


    ―文責 西川栄郎―




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