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驚くほどフルーティーな ピーマン
カタログ2015年4月4週号
天敵を活用する有機栽培で育てています。
◆生食にも向いています
 鹿児島県志布志市の(株)SOHファームの岸辺 重正さんは、約100aのハウスで天敵をフルに活用して、ピーマンの有機栽培に取り組んでいます。そのピーマンはたいへんフルーティーです。
 こんなおいしいピーマンにはめったに出合えるものではありません。エグ味が少なく子どもでも生のままでもおいしく食べられますので、サラダなど生食するのにも向いています。
 ちなみにピーマンが一番おいしいのは緑から赤に変わる茶色のときだそうです。

◆多種多様な天敵を活用
 岸辺さんの有機栽培の特徴は、多様な天敵の活用です。ダニに対しては「スワルスキー」「スパイカル」を、虫に対しては「チャバラ」「アフィパール」など小バチを使っています。ナナホシテントウ、ヒメカメテントウ、ナミテントウなどのテントウムシやカマキリなども使っています。
 綜虫対策としては、化学農薬による土壌消毒ではなく緑肥(ソイルクリーン・ソルゴーなど)で、ヨトウムシ対策として安全なホルモントラップ、その他イオウくん煙や木酢液も使っています。
 微生物資材も活用していますが、オルターおすすめのΣ菌ぼかしもいち早く取り組みを始めています。

◆消費者の健康を考えない農業は生き残らない
 岸辺さんがピーマン生産を始めたのは 2003年でした。それまで関東の重電関係会社で技術者として働いていました。専門は制御システム、現代の名工にも選ばれたことがあります。出身地の志布志市で父が亡くなり、母一人となったため 2002年Uターンしました。
 これからは農業がおもしろい時代になると考え、JAに教えてもらってピーマン作りを始めました。しかし、ピーマン作りを始めて3〜4年経過後に JAのやり方は自分に合わないと思いました。
 農薬を使うような農業では TPPにとても太刀打ちができない、これからは安心、安全の農業に取り組むべきと考え、周囲の反対を押し切って、2006年有機 JASに取り組むことにしました。2008年には一部の圃場で有機 JASの認証を取得して生産を始め、2009年には JA関連との取引を止め、有機 JAS専用圃場となりました。

◆素人農業からの出発
 もちろん、素人でスタートしたわけですので、すんなりと有機栽培の技術が身についたわけではありません。病虫害で圃場がまっ黒になり、全滅したこともあります。途中で栽培を断念し、一から苗作りをやり直しました。とても生活できる状態になく、挫折しそうにもなりました。鹿児島県、宮崎県、熊本県などの先輩の農家に出向いて、土づくり、施肥、防除方法など全てを見直してきました。
 そんなことが 3年続き、試行錯誤は続いていますがやっと生活費の目途が立ち、先が見えるようになりました。

◆後継者の育つ農業を
 現在 SOHファームは株式会社として法人化しています。経営を安定させ、新規就農者も育成できることを目指しています。
 SOHファームには、若い担い手が社員として岸辺さんと一緒に働いています。北山 和彦さんです。北山さんは元佐川急便のドライバーをしていて、得意先としてSOHファームを訪れていたときに、SOHファームのおいしいピーマンに魅せられて佐川を辞め、ピーマン栽培に取り組むことになりました。SOHファームの名前の意味はS(安全 safety)、O(オーガニック organic)、H(人間 human)です。
 SOHファームのオルターへのご紹介は、徳江 倫明オルター顧問の元の会社FTPSからでした。


SOHファームの 有機ピーマン★★
■栽培品目
ピーマン(さらら)

■防除
<天敵利用>
●ダニ       
「スワルスキー」「スパイカル」
●ダニ、アザミウマ  
「タバコカスミカメ」
●虫など      
小バチ(「チャバラ」「アフィパール」)、ナナホシテントウ、ヒメカメテントウ、ナミテントウ、カマキリ
●ヨトウムシ対策   
ホルモントラップ(コンフューザーV)

木酢液、イオウくん煙、イオウ粒剤

■肥料
●ソイルクリーン・・・緑肥(ギニアグラス)
●内城菌・・・Σ菌ぼかしに切り替えていく予定
●ビーナスK・・・天然カリ資材
●モンネン・・・粘土鉱物(島根産)
●カルマックス・・・有機酸ミネラル
●オール有機774・・・魚粕、骨粉、フェザーミール、パーム粕ND
●椿油粕
●リグナイト・・・ 褐炭
●マリングアノ・・・海鳥などの糞、死骸の堆積物
●フィッシュソリュブル・・・魚カスの発酵エキス
●スーパーカル

■有機JAS認証
特定非営利活動法人 鹿児島県有機農業協会



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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