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限定品・幻の日本ミツバチの蜂蜜
カタログ‘2010年9月1週号’
古来より民間薬として珍重、おいしい伝統の味。
幻の和蜜です。


◆たいへん貴重な和蜜
 日本ミツバチの蜂蜜(和蜜)は、古来より民間薬として珍重されてきました。胃潰瘍がよくなったとか、胃がんの術後の回復が良好といわれています。風邪の初期症状に良く、疲労回復などにもよいといわれてきました。
 この蜂蜜が珍重されてきたもうひとつの理由は、洋蜜と比べて格段においしいということです。日本ミツバチは日本の在来の野生種で、北海道以外の全国で生息が確認されています。その伝統的養蜂は、大木をくり抜き天井をふさいだ円筒形の巣箱(ゴウラ)で飼うもので、西日本では和歌山県の熊野、奈良県の十津川、四国、長崎県対馬などの山間部で農林業の片手間に行われてきたものです。江戸時代には和歌山、熊野の蜂蜜は「大閣蜜」のブランドで熊野詣の人々に親しまれていました。
 しかし、近年その養蜂は衰退の傾向にあり、市場に出回るのも稀になり、今や幻の蜂蜜となっています。その理由は
1)和蜂が農薬に弱い 
2)杉、松の植林の結果、蜜源植物レンゲ、ハギ、クズ、   トチノキ、クリ、シイの木など雑木林の減少
3)洋蜂箱の巣箱での飼育が困難
4)洋蜂に盗蜜され、全滅する
5)巣箱(ゴウラ)を嫌い、巣を捨てることがある
6)採蜜が2年に一度で採算がとれない
などです。
 この養蜂の困難さと採蜜量の少なさによって、流通は知人、親戚の手に渡るのが限度となっているからです。

◆蜂好きが高じて 
 和歌山県新宮市の小谷蜂蜜の小谷保夫さんは、日本ミツバチの巣箱(ゴウラ)を80〜90、山中などに設置しています。日本ミツバチの養蜂としては規模の大きい方に入ると思います。本業は自動車修理工場の経営でJAFの仕事も委託されていますが、巣分れの時期には、飛んで帰ってくるミツバチを見つめていると本業を忘れてしまうほど蜂好きです。
 親の代まで代々日本ミツバチの養蜂を営んでこられたのですが、小谷さん自身はお父さんが亡くなった後、20代後半で先輩に師事して、見よう見まねで覚えたとのことです。最初の5年間は失敗の連続で、なかなかミツバチが巣箱に入ってくれないのと、蜂蜜の採取の方法がわからず、幼虫のいる時期に採取して失敗したりしたそうです。
 備長炭の生産者中上順二さんのご紹介の熊野川町での菜の花まつりに、オルターとして参加したときに出会いました。日本ミツバチの蜂蜜の価値をわかってくれる人に食べてほしいとのことです。


小谷保夫さんの日本ミツバチの蜂蜜
■ミツバチ
 野生種

■巣箱(ゴウラ)
 山林伐採などで出たトガ、スギ、サルスベリなどの大きな木の中心をくり抜いた円筒形のもの。ヒノキ、ミズキ、マツなどの木は巣箱に向いていません。巣箱に天井をのせ、雨が入らないようにし、その上に石などを置き、風で飛ばないようにしています。
 新しい木はミツバチが木の匂いを嫌いますので、2〜3年放置します。その後、蜜を採取したときに出る蜜蝋を塗って作っています。分厚めの板で作った巣箱もあります。巣箱には洋蜜のように抗生物質などを使いません。
 巣箱は、ミツバチが気に入りそうな場所に置いて、野生のミツバチが入るのを待ちます。一番のチャンスは、年に1〜4回(1〜2回が効率がよい)起るミツバチの群れの巣分れ(分蜂)のときで、その女王蜂をうまく捕まえて巣箱に入れるのがコツです。しかし、それでも巣が気に入らなければどこかへ飛んでいってしまいます。そこで、巣分れの女王蜂に水をかけてとめて捕まえ、羽を少し切って飛べないようにしたりするのです。
 洋蜂のように簡単に飼育できないのが貴重な理由です。

■ミツバチのエサ
 蜜源の花は、周辺のレンゲ(小谷さんは自家の水田にレンゲを植えています)、菜の花、クズ、ハギ、山にあるシイノキ、トガ、クリ、トチノキなどです。したがって、日本ミツバチの蜂蜜は様々な草、木の花の蜜が混合した雑蜜(百花蜜)に分類されます。
 採蜜は幼虫の生まれていない梅雨入りしたばかりの頃か、幼虫が孵った8月初旬頃に、通常年1回行っています。ただし、洋蜂のように全て採るわけではなく、蜜を1/3は残すというやり方です。一つの巣箱で3〜4年くらい採蜜できます。洋蜂のように砂糖水を与えたりしません。洋蜂は、奪われた蜂蜜の代わりに添加物入りの砂糖水を食べさせられています。

■採蜜
@蜜刀で巣を1/3残して2/3はずす。
Aそのはずした巣を砕き、バケツの上にザルを置いた中へ置き、ゆっくり自然に落下してくる蜜を集めます。洋蜜のように遠心分離機を使っていません。このときミツバチが蜂蜜を採りにこないよう全体をビニールで覆っておきます。
BAで集めた蜂蜜を、さらにメッシュの細かい篩にかけて不純物を採ります。
Cその蜂蜜をそのままビン詰めします。ビンは熱湯消毒をしておきます。蜂蜜は加熱に弱いので、加熱処理をしません。

 1個の巣箱から約9Lくらいしか蜂蜜が採れません。今年は多雨など異常気象のため、平年の1/3くらいしか蜜が採れないという見通しです。
 エサや飼い方が限りなく自然に近いため、風味が損なわれていません。水アメや他の蜂蜜などの混合は一切ありません。
 濃さは年々の天候などにより、バラつきます。また、自然のままの製品ですので、多少花粉などが入っていることをご了承下さい。

■注意
 蜂蜜には稀に、嫌気性細菌のボツリヌス菌がいて下痢を起こすことがありますので、3歳以下の子どもには与えないように昔から言われています。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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