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興農ファームの放牧豚
カタログ“1999年11月4週”
 オルターでは、これまで残念ながら十分に目を届かせれた豚肉は実現しておらず、開発を進めてきましたが、1998年になってやっと北海道の興農ファームで全頭「放牧」の、オルターとして十分に満足のいくエサを与えられた豚が実現しました。事実上、全国一の豚が実現したということです。まだ十分な飼育頭数がなく、とりあえず月1回くらいの企画からですが、生産が追いつき次第、豚肉政策の中心に置きたいと考えています。
 興農ファームの牛肉をご紹介しましたが、その牛と同様安全なエサや飼い方を基本にした豚です。肌が白や青白くみえる豚は健康がすぐれないものですが、興農ファームの放牧場ではピンク色の肌をした豚が元気に走りまわっています。
◎興農ファームの豚肉
◆品 種◆
 WLDの三元交配。品種のWは大ヨークシャー、Lはランドレース、 Dはデュロック。肉の歩溜りよりも(肉重優先でなく)、肉の味に力点を入れています。

◆エ サ◆  
 ポストハーベスト農薬や放射能汚染のある輸入穀物を排除しています。100%非遺伝子組み換え(ノン−GMO)飼料です。
  放牧で牧草を食べさせていますが、牧草は全て自家産有機栽培です。頭数の増加とともに、牧草地に放牧する際、放牧地を回して、あとには有機野菜を栽培していく予定です。
 その他のエサは、牧草をサイレージにしたもの、くず小麦(国産)、酒かす(東北産)、米ぬか(北海道産)、もみがらなどを原料として、牛のエサ同様に発酵させて与えています。とくにサイレージの量は、エサの全量の60%強にしています。
 この飼料の発酵はとくに工夫しているところです。内臓の健康と肉に臭みがつかないようにすること、さらに肉の締りをよくするために、十分に咀嚼できる飼料と草を与えています。また、飲み水もBMW(バイオ・ミネラル・ウォーター)技術で作っています。すなわち、糞尿を微生物で発酵し、健康な状態を保てるようにしたものを与えています。
◆飼 い 方◆  
 病気予防の為の、抗生物質(これを排除できているケースはまれ)など動物医薬品のなど一切投薬しません。全て自家繁殖の予定。
  出荷は180〜210日齢(今回は興農ファームで120〜150日)、生体で100〜120kgです。運動を十分にさせ、太陽光線を当てビタミンの働きを活発にし、土壌微生物を自由に摂取できるよう、放牧状態にしています。
 ここまでエサの安全性にこだわり、しかも100%放牧の豚は、全国にもまずあるとは思えない水準のものといえます。
  屠殺は牛肉と同じ、北見畜産公社で行い、骨外しまで行います。北見畜産公社は国内初のオランダ方式のト場で、日本で初めてO−157安全対策(食道直腸結索法、水を使わないドライ管理、一度も下へ下ろさない全行程吊るしたままの作業行程など)を実現している工場です。
  スライス、パックは興農ファームの食肉工場で行い、そのあとは冷凍で届けます。さらに、この肉を原料として、無添加ハムを近く開発する予定にしています。

◎市販の薬漬け畜産の豚
●品種   一般にはランドレースやヨークシャーのような増体効率の豚が好んで飼育されています。これにホルモン剤などを含むエサを与えて、いかに早く肉にするかが競われています。味はもとより、安全性を全く犠牲にされています。そのため、その病気がちの豚から「ムレ肉」と呼ばれる、まずくて、不健康な薬臭い豚肉がスーパーの店頭に並んでいるのです。
 黒豚(バークシャー)が話題になっていますが、厳密な意味で黒豚と言える豚は国内にはほとんどいません(大地の豚も含めて)。

●エサ   畜産は一般に牛よりも豚、さらに鶏と小さくなるほど危険なものとなりますが、それだけ近代化、化学化が進むということです。
 豚のエサには主としてトウモロコシや大豆などの輸入穀物が与えられています。ですから、ポストハーベスト農薬、チェルノブイリ放射能汚染、遺伝子組み換え問題などどうしようもない状態です。
 安全な食べものを謳う自然食業界の放牧豚や開放型踏み込み式豚舎飼育、薬品の代わりに木酢液で衛生管理をしているしている「木酢豚」、「自然豚」などがありますが、それらにおいてもエサの内容を改善できているケースはほとんどないありさまです。 またリサイクルを売りものに、残飯養豚を一部で行われているケースがありますが、現代ではその残飯が農薬や添加物だらけの有様で、とても容認できるエサとはいえない状態なのです。
●飼い方  現在国内で最もひどい豚の飼い方は「清浄豚」と称して販売されている豚肉で、その謳い文句は 「さしみで食べられる」 衛生的な豚というのです。
 その実態は、まず帝王切開して無菌的に取り出した子豚、農薬の霧たち込める密封型の豚舎で、無菌的なエサで育てます。つまり、ばい菌も住めないような化学薬品まみれの中で育てた豚だということです。
 現在、動物医薬品や飼料添加物として1,200種以上もの薬品が認可されています。国は家畜に関しては、動物だからという理由から、人に対する食品添加物(これも非常に甘い規則)よりもさらに野放し状態で放置しています。
 しかし、畜産品として結局は人の口に入ることを考えれば、とうてい放置できるものではありません。
 安全なのは、自然の中で暮らし、泥んこ遊びをして育つような豚だということを忘れてはいけません。
 今日、悪臭などの畜産公害が問題となって、太陽の当たらない密封型豚舎で、換気は活性炭などを使った強制換気で外へ臭いのもれない豚舎が主流となっています。
 これに比べれば開放型の豚舎、しかもオガくず(輸入木材は農薬の汚染があって危険、豚はそれを口にするからです)を厚くひいた踏み込み式のものはずいぶんとましとはいえます。
 まして、健康な環境に放牧される方がさらによいことはいうまでもないでしょう。


   ―文責 西川栄郎―


 
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