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自然のままのバニラの香りを楽しみませんか パプアニューギニア海産(3) 
カタログ“2004年12月2週”
自然のままのバニラの香りを楽しみませんか パプアニューギニア海産(3) 
 市販のバニラエッセンスは、そのほとんどが合成香料で刺激が強いだけのものです。天然のバニラビーンズは、マイルドで素敵な香りです。料理の素材として、天然のバニラビーンズを使ってみませんか。
 パプアニューギニアでは、1990年代初期に、バニラビーンズの栽培が始められていました。政府の指導のもとで始めたものの、買い手がアメリカの大資本だったことで、そのヒモ付きプランテーションのような形で始めざるを得なかったため、軌道には乗りませんでした。先進国の大資本の都合によって価格が上下し、取引数量も不安定で、生産者は常にバイヤーの顔色を窺わなければならず、自立した事業として育てるのはとても難しかったのです。
 パプアニューギニアから日本への政府留学生であったフランシス・ワガイアさんは、このバニラ栽培を何とか自立した事業にできないものかと心を砕き、マーケットとの連係や生産の仕組み、教育の工夫などに取組んでいました。そんなときに、パプアニューギニア海産の武藤優さんと出会い、その天然エビで培った自主流通ルートを活用することになったのです。
 パプアニューギニア海産でのバニラビーンズの流通は、2002年から始まっています。取引はまだまだ少量からのスタート段階ではあるのですが、天然エビと同様に、パプアニューギニアの小規模農家の人たちと直接話をし、彼らの実際面が向上することを確かめながら、多くの人々とのつながりの中で大切に育てていきたいと武藤優さんは語っておられます。

フランシス・ワガイアさん(左から2番目) 武藤優さん(左端)
パプアニューギニア海産のバニラビーンズ
◇生産者
パプアニューギニアイーストセピック、モロベ、マダンの各州のサイモンマイケルさんなど106軒のバニラビーンズ栽培農家とフランシス・ワガイアさんが提携し、出荷可能なバニラビーンズを買い上げています。

◇栽培・生産方法
 農薬や化学肥料を一切使用していません。
バニラの木は、支柱となる木につるのように巻きついています。接ぎ木して作った苗木を購入して植えています。植えてから3〜4年経つと花が咲きます。それを授粉してやると、年1度収穫ができます。栽培はほとんど自然まかせで、農薬や肥料を購入する発想も資金もありません。
 収穫したバニラビーンズのさやは、湯通し(60〜63℃約3分)をしたあと発酵させます。この発酵で、香りの成分バニリンが生成されます。その後、素早い乾燥を行います。このバニラビーンズをタオルに巻き、40〜50℃の箱の中で2日間保管します。この行程で腐敗を防いでいます。この段階で水分は約80%あります。
 これを1日1時間、表裏を天日干しし、その後タオルに巻き、保管する作業を2週間続け、水分を20〜30%にします。その後、バニラビーンズが適当な水分を含む状態になるまで、2〜3週間、倉庫内の棚に保管します。
 乾かしすぎると香り成分バニリンが消えてしまうので、コツが必要な工程です。この後、布でくるんで箱の中に入れ、2〜6ヶ月を要して許容品質レベルになります。
 栽培から加工まで、注意深く、よい作業をした場合には色はブラウンで手触りがソフトで、しっとりとした香り豊かなAグレードとなります。品質はA〜Dとブロークンの5段階に分けられます。

バニラの木
乾燥風景
バニラビーンズの使い方
 バニラビーンズのさやの中にある粒は、ホットケーキ、ケーキ、アイスクリームなど菓子類に使えます。刺激が強くなく、マイルドですので、お好みに合わせてご自由にお使い下さい。さやの方は砂糖のケースに入れ、バニラシュガーとしてお楽しみ下さい。

市販のバニラエッセンスの問題点
 高級洋菓子には、バニラビーンズの黒いツブツブが入っていることがあります。バニラは蘭の1種で、その主産地はマダガスカル島です。化学肥料の使用は一般的です。
 このバニラの熟成した豆をアルコール水溶液で抽出したものをバニラエキストラクトと呼び、茶色でとろみがあり、甘く苦くないものです。バニラビーンズより、このエキストラクトの方が香りが強いので、これを使う洋菓子店も増えています。しかし値段が高いことや、要冷蔵で扱わなければならず、日持ちがしないことから、一般のお店などでは通常は入手困難です。
 市販されているバニラのほとんどはバニラエッセンスやバニラオイルであり、合成バニリンと呼ばれる人工的に作られた香りの合成バニラです。溶剤としてアルコールや石油系の油が使われています。かなり苦いものです。


   −文責 西川栄郎−

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