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国産 前浜沖獲りの身欠きニシン
カタログ2010年12月4週号
この春、北海道余市前浜に戻ってきたニシンを
伝統的加工法で製造。もちろん無添加です。


◆待ちわびた群来(くき)の到来
 今春、北海道余市の前浜にニシンの群れが実に50年ぶりに戻ってきました。2010年2月9日午前、産卵のため前浜に押し寄せた大群のニシンの雄が放出した精子で海面が乳白色に染まる「群来(くき)」が確認されたのです。
 ニシン漁復活のきっかけを作ったのは、北海道が1996年に始めた「日本海ニシン資源増大プロジェクト」でした。余市中央水産試験場と稚内水産試験場の研究員らが「稚魚の生産と放流」「産卵場所の形成」「未成熟魚の保護」を3本柱に行動を起こしていました。

◆ピカピカの身欠きニシン
 北海道余市の狩野水産の狩野敏哉代表は、今春獲れたこの余市前浜のニシンを原料に、昔ながらの伝統的な加工法で無添加の身欠きニシンを作りました。
 鱗を除去する「ひと手間」を惜しまず、丁寧な作業です。本乾燥も一般のように1〜3日、長くても10日ということではなく、およそ30日かけて丁寧に仕上げています。もちろん食品添加物を使っていません。驚くほど高品質な仕上がりです。
 一人でも多くの人に貴重な国産ニシンの味と香りを堪能していただきたいものです。

◆来年は「数の子」も期待
 狩野水産は1955年創業。掛けニシンや数の子、鰊粕(肥料)を作る前浜ニシンの加工場としてスタートを切りましたが、丁度その頃からニシンの群来が途絶え始め、その後、世界各地のニシン漁場を渡り歩いて日本人の味覚に合うニシンを探し求めてきました。主に北米やカナダから輸入し、身欠きニシンや塩数の子などを製造してきました。
 狩野敏哉代表は二代目。余市川河口に位置する加工場で、先代から受け継いだ昔ながらの伝統的な製造法を守っています。
 来年はこの前浜のニシンを原料に、塩数の子の生産もお願いする予定です。

◆脱原発の運動が出会いのきっかけ
 オルターヘの紹介は、奈良よつ葉牛乳を飲む会(清水章子代表)からです。奈良よつ葉牛乳を飲む会とオーガニック・マーケット・北海道(O・M・H)(菊地健夫代表)が共同企画しました。
 オーガニック・マーケット・北海道の初代(前)西崎量一代表は、北海道に泊原発の計画が明らかになったおり、私たち北海道のよつ葉牛乳を飲む消費者団体が連名で北海道内の全農協・漁協に送った約600通の「安全な食べものの大地、北海道を放射能から守るために立ち上がってほしい」との呼びかけに唯一呼応していただいた積丹農協の当時参事をされていた方です。西崎さんは農協の中枢にいながら、農薬や化学肥料に依存している農業の在り方に強い疑問を持ち、有機農業を地元に根付かせるために努力をしていました。
 出会いからまもなく、西崎さんは私が脱原発のため全国の多くの市民運動の仲間に呼びかけ結成した、ミニ政党「みどりといのちのネットワーク」から参院への立候補をお願いした方です。西崎さんは選挙後「安全な食べものを食卓へ」をスローガンに、オーガニック・マーケット・北海道を立ち上げられました。その西崎さんが病のため帰らぬ人となられた後、その志は菊地健夫さんに受け継がれています。


狩野水産の前浜沖獲り身欠きニシン(本乾)
■原料
ニシン(北海道余市前浜で水揚げされた純国産ニシン)

■製造工程
@水揚げ後、冷凍保管していたニシンを解凍。解凍は約24時間流水で。
A鱗の除去…一般のように鱗の付いた状態で乾燥させると、鱗が水分をブロックして、魚体の表面から水分が抜けずらくなり、生臭さが残ります。鱗の除去は樽の中にニシンを入れ、流水の中で回転させる装置を使っています。
B洗浄…ニシン4〜6尾を頭つなぎにして、ごく薄いオゾン水(0.5ppm)にざっと浸けます。
C乾燥…頭つなぎのまま、室温18℃、湿度60%の乾燥室にて2時間。
D三枚下ろし、背骨除去…外側がほどよく乾燥したニシンの腹を開き、内臓を取り出し、尾をつけたまま背骨を取り除きます。
E再洗浄…ごく薄いオゾン水(0.5ppm)にざっと浸けて洗浄し、10尾くらいを竿に通して本乾燥。
F本乾燥…防湿乾燥機と開閉式の大きな窓を設置し、日本海の潮風を取り込むよう工夫された専用の乾燥室にて乾燥。およそ30日かけて仕上げ。
G選別、箱詰め、製品検査
H冷凍保存

注)オゾン(O3)は吸うと人体に有害な気体ですが、狩野水産の使い方では
製品に何か有害性が残るような心配はありません。

■ニシンの美味しい料理法
身欠きニシンを料理に使う際には、下準備が必要です。生臭みを残さず、美味しくふっくらと戻すには、ちょっとした手間と工夫が大切です。

●本乾ニシンの戻し方
本乾ニシンは、あらかじめひと晩米のとぎ汁に浸し、柔かく戻します。この時、米のとぎ汁に昆布を一切れ入れておくと、独特の臭みが消えて、ニシン本来の味わいが引き立ちます。

●美味しい煮物に仕上げるコツ
煮物にするときには唐辛子を入れると渋味がとれ、味がまろやかになります。また、梅干しと一緒に煮ると、臭みがとれます。身欠きニシンは、長く煮しめると身が固くなってしまいますので、やや短めで火を止めて、そのまま煮汁を染み込ませるように仕上げましょう。


市販の身欠きニシンの問題点
 酸化防止剤やオイル(ポストハーベスト農薬、遺伝子組み換え、トランス脂肪酸などが問題)が使用されているものがあります。
 鱗を付けたまま加工しているものは水分が抜けづらく、生臭さが残ります。本乾燥の時間が通常は1〜3日、長くても10日と短く、熟成が不十分なものは味が劣ります。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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