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小野川温泉 湯上り豆もやし
カタログ2015年11月4週号
オルター向けは無農薬大豆を使います。
◆在来種の地大豆でつくる伝統の豆もやし
 山形県米沢市に100年の歴史があるといわれている小野川温泉の豆もやしがあります。
 一般に知られている短い緑豆もやしとは全く違い、豆もやし用として代々伝わる在来種の地大豆から、温泉熱を活用して30cm以上に伸びた、シャキシャキとした歯ごたえのある、色美しく香り高い豆もやしです。根も捨てることなく食べることができます。温泉成分を吸ってミネラルを一般のもやしより1.5倍含んでいます。みそ汁、おひたし、しゃぶしゃぶ、すき焼き、もやしかき揚げや春巻にすると絶品です。
 地元、米沢市周辺ではたいへん人気もあり有名なもやしですが、生産量が限られていることもあって、地元以外へは出荷されることはほとんどない、隠れた名品です。

◆冬期限定品
 小野川温泉豆もやし業組合 吾妻 静夫組合長らは、それぞれの本業のかたわら、12月〜4月の冬期間だけ、小野川温泉の熱を活用した豆もやしの製造を続けています。

◆米沢郷牧場で無農薬栽培
 このたび、オルター向け特別仕様として無農薬大豆で豆もやしの製造をしていただけることになりました。無農薬大豆の栽培は、オルター米鶏の生産者である米沢郷牧場のメンバー、和田 和之さん達にお願いしました。

◆自然の力で生産
 小野川温泉の豆もやしはたいへんユニークで、エコロジーな方法で生産されています。豊富に湧出する温泉の湯を、温泉街の一角に設置されたビニールハウスに引き込み、その熱と蒸気で大豆を発芽させ、暗渠の中で1週間かけて30cm以上に伸びたところを収穫するという方法で栽培しています。
 人手と温泉のエネルギー以外は使っていません。この豆もやしを評価してくださる人がいる限り、化石燃料に頼らず、いつまでも作り続けることができるエコロジーな地場産業です。

◆絶滅の危機を救った活動
 この小野川温泉の宝ともいうべき豆もやしが絶滅しそうになったことがありました。最盛期72軒あった製造者が、農業離れ、高齢化、さらには中国産の安い緑豆もやしに押され、米沢市内でのスーパーなどの特約店の売り場から撤退が続き、近年では生産者が2軒になっていました。そして6年前、最後の1軒が老齢化のため、ついに廃業というところまでになりました。
 この危機に、小野川もやしの伝統を守ろうと研究会を立ち上げたのが、現小野川温泉豆もやし業組合 吾妻静夫組合長です。本業は造園業で、米沢市内で日帰り温泉も経営しています。
 この呼びかけに我妻 博司さん、鈴木 藤昇さん、大塚 房雪さんら男性4名をはじめ、50年来豆もやし作りに携わってきた4名のおばあ達も駆けつけました。夏場はそれぞれ野菜作りや本業があるため、冬期だけの豆もやし作りとなっています。

◆世界遺産の価値
 私がこの小野川豆もやしを見つけたのは、2015年3月、テレビの人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」で紹介されていたことからでした。その豆もやしの価値は、世界遺産になっても不思議ではないものだと感じました。米沢市にはオルターの鶏肉の生産者、米沢郷牧場があり、すぐ隣の高畠町には長いお付き合いのりんごなどの生産者、高畠町有機農業提携センターがあります。現地と連絡をとり合って、すぐに取材に駆けつけました。
 小野川温泉豆もやし業組合の吾妻 静夫組合長には、その伝統の地豆を無農薬栽培の経験のある米沢郷牧場の生産者が栽培し、その無農薬大豆を使って豆もやしを作ることを快諾していただきました。そして今年栽培された米沢郷牧場 和田 和之さん達の無農薬大豆で作った豆もやしが「小野川温泉 湯上り豆もやし」と名付けられ、いよいよ出荷されます。


小野川温泉豆もやし業組合の 湯上り豆もやし☆☆☆ ND
■原料
●山形県産 豆もやし専用地大豆
●栽培者  
米沢郷牧場 和田 和之さん☆☆☆
エコファーム匠さん☆☆☆
鈴木 澄男さん☆☆☆
遠藤 廣一さん☆(有機栽培化へ3年に達していない圃場)

■製造方法
@もやし用大豆を温泉ぬるま湯に浸す(播く前日)。
A温泉の湯(原泉温度は80.3℃、水と混ぜて使用)が
流れる暗渠の中の溝の上に板を敷く。
Bその上に15cmくらいの深さに砂をまく。砂は1年間雨ざらしにしてあったものを使う。
C砂の上に浸した豆もやし用の地大豆をまく。
D播いた上に砂をかける。
E暗渠を板やワラ、ビニールなどで覆い、温泉の30℃の熱と蒸気で保温する。
F毎日朝晩に温度管理を行う。
G豆を播いてから6日目に収穫。
H温泉水で砂を洗い落として出荷する。



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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