通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

博士たちのエコライス
カタログ2016年1月4週号
「いのちはぐくむ農法」で米作り。
◆食味コンクールで金賞を受賞
 滋賀県立大学名誉教授、小池 恒男さんは、滋賀県彦根市の琵琶湖湖畔にほど近い開出今地区に広々と広がる 2.40ヘクタールの「開出今教育研究圃場」の水田で、「栽培技術の実証」と「稲作経営の成立」を目的に、自ら「いのちはぐくむ農法」と名付けた稲作に取り組んでいます。「いのちはぐくむ」とは生産者の健康といのち、消費者の健康と安心、田んぼにいる生物のいのちすべてを含めています。
 この田んぼでできた米の食味は、2007年に開催された第9回全国米・食味分析鑑定コンクール「ヒノヒカリ部門」で食味計83点と全国歴代最高点数を挙げ、金賞を受賞したあと、毎年80点以上を一貫して確保しています。

◆おいしい米ができる秘訣
 小池教授としては、この米がコンクールで高い食味値が出せた理由を、琵琶湖にそそぎ込む犬上川の冷たい伏流水で育てていることと、田植えの時期を5月下旬から6月上旬と通常より1カ月遅れにしたことと考えています。しかし、私としては、低投入型の有機農業にもそのおいしさの大きな理由があると考えています。
 また小池教授の玄米の発芽率は96%ですので、発芽モードR玄米で食べるのにも安心です。

◆無農薬・無化学肥料
 小池教授の農法は、無農薬・無化学肥料・不耕起(浅起こし・浅代掻き)です。最近多くの米作農家が使っているネオニコチノイドの農薬も、もちろん使っていません。除草は紙マルチや草刈り払い機を活用して、除草剤はもちろん使いません。株間・畝間広幅植えにして苗を疎植にしています。肥料は乾燥発酵魚粉を元肥に 180kg/10aに使うだけの低投入型です。
 田んぼの機械作業はすべて地元のプロの人に外注しています。収穫時には研究仲間の先生方や多くの学生たちも手伝います。

◆生き物調査の評価は特A
 小池教授の田んぼには実に様々な動植物がいてたいへん豊かな生態系があります。ツバメ、カルガモ、チョウサギ、コサギ、セグロセキレイなどの鳥たち、トンボや蝶などの昆虫、クモ類、ヒメタニシ、サカマキガイなど貝類、ミジンコ、ザリガニなど甲殻類、ニゴロブナなど魚類、トノサマガエル、アマガエルなどの両生類など動物102種、植物105種です。生き物検査での評価は105点(特A)です。
 この田んぼには希少種の水草「イチョウウキゴケ」がいます。私が田んぼに訪問したとき、なぜか今年、絶滅危惧種の水草「アカウキクサ」が大発生したと小池教授が大興奮でした。しかし、あとで「アカウキクサ」を研究している学生が先生に無断で入れたらしいということが判明しました。
 滋賀県の取り組む「魚のゆりかご事業」の一環として、ニゴロブナの放流も行いました。

◆生水で苦労
 小池教授がこの田んぼの作付を開始したのは2007年からです。2008年には乾燥完熟牛糞を投入しましたが、2009年から元肥を乾燥発酵魚粉に切り替えました。2012年には紙マルチで除草対策を始めました。
 小池教授が最も苦労したのは湿田対策と雑草対策でした。この田んぼは放っておくと「生水」と呼ばれる伏流水が勝手に浸み出てくるくらいの湿田です。そのため、3回に及ぶ土地改良事業を行いました。その結果、24筆あった田んぼは8枚になり、コンクリートの 畦畔も撤去し、たいへん景観の優れた美しい田んぼになっています。
 オルターとの提携が始まったのは2013年、オルター有機認証担当 故 三浦 和彦顧問からの紹介でした。三浦顧問と小池教授は、ともに日本有機農業技術者会議の調査メンバーだったことからでした。


小池 恒男さん(滋賀県立大学名誉教授)の エコライス☆☆☆
●水田面積
 2.40ヘクタール

●品種
ヒノヒカリ ※病気、暑さに強い品種

●防除
農薬不使用

●肥料
乾燥発酵魚粉(三愛ブレンド社)ND  180kg/10a

●除草
紙マルチ、草刈り払い機


著書「博士たちのエコライス」



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



戻る