通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

有機質肥料も使わない 自然栽培米
カタログ2014年6月4週
無農薬、無肥料栽培、種子も自家採種。
◆除草剤も使いません
 秋田県大潟村の大潟村自然栽培普及会(阿部 淳会長)は農薬、化学肥料はもとより、有機質肥料も使わない自然栽培でお米作りを行っています。
 除草剤を使わない無農薬栽培で一番手間のかかる除草作業については、大潟村自然栽培普及会のメンバーが各自自作した除草機により年5〜8回機械除草するとともに、手取り除草して対応しています。
 自然栽培といっても始めて1〜2年は前作の肥料が残っていて、収量が十分に確保されることがありますが、大潟村自然栽培普及会のメンバーは少なくとも取組み年月が3年以上、ほとんどは6年以上、最長10年に達している方もおり、技術的にも自信を持っています。平均収量は大潟村の有機質肥料を使用している反収の7割で、その分価格は高くなります。

◆提携米ライスロッヂの仲間
 大潟村自然栽培普及会のメンバーは必ずしも全員が全面積を自然栽培に切り換えているわけではなく、有機質肥料で栽培している田もあり、メンバーの阿部 淳さん、高野 健吉さん、桑原 秀夫さんら3名は、長年オルターと提携米運動で提携してきているライスロッヂの生産者としても重複しています。

◆腸で腐敗せず発酵する米
 大潟村自然栽培普及会の創設者は石山 範夫さんです。自然栽培には2003年から3年かけて切替えました。自然栽培に取り組んだきっかけは、炊いてビンに入れておいたお米が、それまでの動物性肥料を使ったお米が気候にもよりますが早ければ数日〜数週間で赤、青、黒、茶色といった色とりどりのカビがびっしりと生え、悪臭を放って腐敗したのに対し、自然栽培米では数年置いていても、カビも生えず、蓋を開けると甘酒のような香ばしい発酵臭が広がり、腐敗しなかったことを体験したからでした。この現象は食べた人の腸で腐敗が起こる心配があるのではないかと考え、人の健康のためには腸の中で「発酵」する自然栽培米を作らなければいけないと思ったのでした。

◆肥毒のない栽培
 大潟村自然栽培普及会では自然栽培に取り組む理由として、「肥料を与える」⇒「土壌は窒素過剰になる」⇒「葉や実は大きくなるが、作物に硝酸態窒素(血液毒、発がん性の心配)が増加」⇒「浄化のため、雑草、虫や病原菌が発生」⇒「農薬で駆除」というつながりとなっていると考えています。したがって、堆肥も使いません。工業的畜産による家畜のし尿、糞には、ホルモン剤や抗生物質などの薬剤が残留し、輸入木材の木端などには防腐、防カビ剤などがしみ込んでいます。稲ワラや野菜の残渣も農薬の残留が心配です。植物性堆肥でも完熟していない場合、雑草や病害虫を招く一因となることがあるからです。
 この肥料による悪影響をなくすため、耕地の「天地返し」にも取り組んで、植物が大地のエネルギーを容易に受け取れるよう工夫もしています。
 また種子や苗についても、慣行農法での蓄積された肥毒の影響がないよう、自然栽培による種子の自家採種を行い続けています。育苗用の土には、自然栽培実施農地から採取した土と、同じく自然栽培のよく乾燥させて枯らした稲ワラを、水分や温度などに気を配りながら、1年がかりで20回以上切返し、自然界の納豆菌、麹菌、乳酸菌の力を借りて分解し、自然界の腐植土に近い土を作って、使っています。この苗床土の開発には5年かかりました。

◆環境負荷のない栽培
 農薬や肥料を使わない栽培は、太陽の光や雨などの自然の恵みとともに、土が本来持つ力を最大限に生かす栽培で、環境負荷を与えない、持続的な生産活動です。
 自然栽培米は生育速度は遅くても、根をしっかり張った強い稲が育ちます。稲自身が求める養分を必要なだけ自分で探して取り込み、育ちます。

◆ササニシキの復活
 自然栽培を行うための技術的探究の中で、お米の品種も重要であることがわかりました。自然栽培にはアキタコマチやコシヒカリではなく、ササニシキやカメノオが適しています。アキタコマチやコシヒカリはモチ米系の遺伝子が交配されて、粘りが強い、モチモチ食感のある人気の高い米の品種です。それに対し、ササニシキやカメノオは伝統的なウルチ米系の品種です。肥料を使うと栽培しづらい品種ということや、アキタコマチやコシヒカリの人気に押され、栽培面積が激減している品種です。
 大潟村自然栽培普及会では低栄養の自然栽培に向く、このササニシキを栽培しています。ササニシキは宮城県の古川農業試験場でかなり以前に作られた品種です。たいへんおいしい品種として有名です。近年アトピーやアレルギー・化学物質過敏症が問題となり、蛋白含有量が高いコシヒカリ、アキタコマチを避けたい人々にとって、お米の澱粉の中の蛋白質アルブミンやグロブリンの低いササニシキが注目されつつあります。
 オルターの山本朝子顧問が推奨する玄米の発芽モードR調理にも、ササニシキはたいへん適した品種で、オルターとしてもたいへん注目している品種です。


大潟村自然栽培普及会の自然栽培米☆☆☆
■生産者
阿部 淳、石山 範夫、高野 健吉、桑原 秀夫、岩井 真二、佐藤 寿作、斉藤 一樹

■品種
ササニシキ 日本の伝統的ウルチ米系統

■肥料
無施肥

■防除
無農薬 種子消毒は60℃のお湯を使用する温湯殺菌

■除草
自作機械による機械除草、年5〜8回 および手取り除草 除草剤の使用はありません



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



戻る