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あゆみの会代表 斉藤公雄さんのご挨拶
オルター通信920号記事
有機農法の着想を得た世界
 農業法人泣Aグリクリエイト・有機栽培あゆみの会の代表を務めております斉藤です。
 私自身有機の世界での取り組みは約30年になりました。経営者でもありますが、農家でもあります。
 実家がもともと米農家ということもあったのですが、当初は農業を引き継ぐ気もなく、家を飛び出したんですよね。それがある転機で実家へ戻ることとなり、農家をやるかたちになりました。
 ところが!その当時は、どんどん減反政策が進むなど、農家にとっては非常に酷な現状を目の当たりにしました。これでは、とてもとても農家はやっていけない!と思ったのが正直なところでした。他にすぐに始められるものもなく、いろいろとアルバイトや勤めに出ながら農業を続けてきました。いわゆる兼業農家です。中途から前述の危惧が大きくなり、以前から興味のあったキウィフルーツを、山の上の田んぼの場所へ開拓しました。
 農業を続けながら、仕事をこなす、という2足のわらじを履きながらの始まりでしたが、その仕事での勉強が大きな転機になりました。最後に勤めた肥料メーカで、仕事の一環で作る肥料の問題点の解決に、全国を転々と勉強に歩き、EM菌をはじめ、数々の微生物に関する先生方の話や、味噌・醤油・酒・酢等の醸造での醗酵の世界に触れることとなりました。そこで、自分の農業にも取り入れようと、最初はキウィフルーツの圃場へ有機肥料を利用し、様々な天然資材を利用し始めました。
こだわりの農家仲間たち
 当初は斉藤果樹園として、その分だけを別に扱っていましたが、お米にもだんだんとその栽培方法を取り入れ始め、何人かの仲間たちや理解者が増え、平成元年に 斉藤果樹園 から 有機栽培あゆみの会(登録商標) を立ち上げました。当初はいくら理解者や協力者がいるとは言え、本当に数人。おまけに減反反対!!や空散反対(農薬の空中散布に反対)!!と動いていたので、農協や役場からはよく“協調性がない!”と目をつけられてました(笑)。それでもへこたれず、数人の仲間で始めたこだわりのお米を販売するため、いろいろとお願いしてようやく立ち上がったばかりの宅配業者さんで取り扱いをしてもらえるようになりました。その後、開拓メンバー達の色々な紹介で、実はこだわりの農家(当時は、その地区では変わり者と呼ばれていた人達)がこっちにもいるよ、という紹介や、さらに自分の同級生で興味があるという仲間たちが増え、どんどん拡大していき、流通専門となるものが必要だと思い、平成7年に現在の事務局、農業法人泣Aグリクリエイトを設立しました。
私たちのリサイクルネットワーク
 現在の私たちの取り組みをご説明いたします。
消費者の皆さんが残した生ごみ(食物残渣)等を、回収して固形肥料化(堆肥ではありません)し、その肥料を有効活用し、再度栽培したものを、皆さんへお届けするという、一貫したリサイクルネットワークを目指しています(グリーン購入まで含む)。また、独自の栽培基準を持ち、栽培の管理・分析・指導・追跡を行うことで、よりレベルアップした栽培を目指しています。(安心・安全のためのトレーサビリティ、土壌分析・指導等)。このリサイクルシステムを作るきっかけは。。。当初は、有機肥料だ!と言って、未完熟な生ごみをそのまま畑へどんどん持ってきてしまう業者の実態を知り、また困っている農家の状態を知り、第一次産業となる農家の畑はゴミ箱ではない!と思ったのがきっかけですね。何とか、その生ごみを本当の肥料へ作り変えられないか?と思っていた時、縁あって、松下電器産業のリサイクラーという機械に出会いました。熱乾燥式で、投入した生ごみを攪拌機でまわしながら、熱を加え、内部の生ごみを乾燥させるというものでした。乾燥したものは、さらさらした砂のようで、臭い・液だれがなく、減容率1/7と非常にコンパクトになり、流通も可能となり、機器メーカである松下電器産業と受け皿となれる私たちが協力して、その回収システムを立ち上げました。皆さんに時々送っている「ガーデニングプロ」はこの肥料なのです。今は、使う農家さんも大分ふえ、ほとんどの農家さんが利用し始めています。
トータルバランスの肥培農法
 私たちは、“安心・安全・美味しい”こだわりの野菜、サプリメントのいらない農産物をお届けするのが使命です。それには、各農産物に基準を設け、常に努力をして向上できるようにしなければなりません。そのため、基準を設けるだけでなく、土のミネラル成分を含むトータルバランスを調えることで、農薬や化学肥料の使用を抑え、よりよいものを栽培出来るよう、あゆみの会事務局(アグリクリエイト)では土壌分析も行っています。本当に何でもやっています。生産者には栽培する前の土を持ってきてもらい、その内容を分析キットで分析します。通常だとここまでしかJA等はやってくれませんが、私たちは、更にその情報を元に、私たちが取り扱っている有機肥料での施肥設計まで行います。できる限りこの設計に基づき実践してもらい、結果を出せるようにしています。徐々にその結果もついてきており、以前よりも色がよくなった。甘みが増えた。肉質がしっかりした。という声も今まで以上に聞こえ始めてきました。現状に満足せずこれからもどんどん高品質な内容と野菜をお届けできるよう頑張りますので、応援お願いします。
自然が回復する景観の中で
 事務局がある 茨城県稲敷市は本当に田舎の風景です。北に霞ヶ浦、南に利根川を持つ、水郷としても有名な場所。利根川を挟んで対岸は千葉県。成田空港まで約30分。千葉県・茨城県のちょうど県境に位置するため、千葉らぎ県!?なんていわれたりもします。
 昔からこのあたりには畑が少なく、水稲が非常に多いのが特徴です。この地名“稲敷”も“稲田を敷きつめた場所”という、かつての風景を名どってついたものです。以前は、よく蛍なんかが飛んでたこともあったのですが、今はめっきりと減ってしまいました。それでも少しずつ小動物等も帰ってきて、田んぼの時期には、ケロケロとかわいらしく鳴くカエルや、めだかなどの小さな魚。秋には赤とんぼや、大合唱する鈴虫達などでにぎわいます。今は冬の寒さで、本当に静かですが、これからが楽しみですね。
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