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学習会報告「ちょっと待ってオール電化」
オルター通信963号記事
学習会報告「ちょっと待ってオール電化」
(ストップ・ザもんじゅ主催)

  草の根だよりNo.355 2006年12月 より転載
  発行 日本消費者連盟関西グループ


 送電線や家電からの低周波の電磁波から最近ではIH調理器やケータイからの電磁波に関心が集まっていますが、今回は「オール電化」に限って話しましょう。「オール電化」路線は、電磁波被ばく強要路線なのです――と、講師の荻野晃也さん(電磁波環境研究所所長)は次のように話された。

●「オール電化」先進国はなんといっても米国、90年代から電磁波の危険性が広く知られるようになり、“第2のアスベストか?”といわれた。93年スウェーデンは送電線や家電製品からの電磁波被ばく低減を国を挙げて実施。96年北欧・EU諸国を中心にWHOの基準見直し作業開始。日本は逆行するかのように“オール電化推進”。WHO内で基準規制強化にもっとも強く反対しているのが日本。
●一次エネルギーで考えた場合の熱効率はオール電化のほうが悪く、地球温暖化対策にはならないが、原発推進のため(電気は余っている!夜間も止められない!)オール電化邁進。
●「オール電化」の目玉、床暖房と電磁調理器の電磁波は極端に数値が高い。女性の流産、高齢者の認知症発症のリスクが高くなる。床暖房の場合、実際に測ってみたら、床に置いた測定器は170mG(ミリガウス)、床上1〜2cmで50〜70mG、20cm上でも5mGを示した。WHOですら2001年に「3〜4mG以上の被爆で小児白血病が2倍に増加」と指摘しているほどだから絶対に床に寝てはいけない。電磁調理器は効率が悪いうえ、条件によっては高レベルの電磁波を繰り返し被ばくすることになる。隣家のIH調理器で壁越しにも当然被曝する。日本でしか売れてない。欧米のオール電化は電熱器主体で磁力調理ではない。WHOから厳しい勧告がでたら、使えなくなるかもしれない。(その時、オール電化住宅は単なる欠陥住宅として転売も難しくなるだろう・・と会場の声)
●電磁波と小児白血病リスク――ケータイの電磁波が、頭骸骨が薄く細胞分裂が著しい子どもには影響が大きいので規制が必要。イギリスでは8歳以下には使わせないようにと発表された。ドイツ環境省は子どもには「青い天使マーク」のあるケータイ(電磁波低減)をと勧告している。日本では文科省が7億円かけて実施した疫学研究の「4mG以上で2.6倍の発症」という報告は葬られた。
●予防原則の思想、「危険性が十分に証明されていなくても、引き起こされる結果が取り返しがつかなくなるような場合に、予防的措置として対応する」との考え方が必要。「危険性が証明されるまでは安全だ」と考えるのはよくない。
●現在WHOは「環境保健クライテリア(EHC)」を作成中で、来年中に発表があると思うが、これほど普及してしまった電化製品やケータイに対して厳しい規制ができるか疑問だ。電磁波低減技術を高めることや、例えば高層建築にもガスでOKとする技術開発にも頑張って欲しい。(EHCとは、WHO、ILO、及び国連環境計画(UNEP)が共同で実施している国際化学物質安全性計画活動の1つで広範な化学物質をはじめ騒音、電波、電磁波及び放射性核種がひとの健康や環境へ与える影響についての専門家の評価をまとめたもの)。
 電磁波過敏症の人や、オール電化で契約したばかりだが不安になってといって参加した人もあった。情報を集めて決断するのは一人一人だが、ここのところ新築やリフォームヘの電力の攻勢は凄いらしい。間違った選択をしても業者も政治も責任とってくれないのは耐震偽装マンションの件で証明済み。数値にこだわるのではなく大きく脱原発という視点で考えていこう。IHに関しては、ライバルのガス会社が資料提供してくれますよ。



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