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備長炭の2.5倍の比表面積吸着能力が優れています。
◆とくに飲用がオススメ 阿南竹炭生産組合が作る竹炭の比表面積は、小学校プール程度の、約400u/g(通常の竹炭100〜300u/g)もあり、吸着能力が非常に優れています。これは備長炭の最高級品と比べても3倍の比表面積であり、トリハロメタン、農薬、合成洗剤、塩素、臭いなど低分子物質に対する吸着性がとくに優れています。 また木炭と比べて、良質なミネラル分が豊富で約5倍も含まれ、溶出量は10倍以上あります。水を活性化する力もあり、飲用への使用がとくに優れています。 原料の竹材の伐期は4〜5年サイクルと短いので、ウバメガシ(備長炭)と比べて資源の利用度が高いのです。ただし、竹炭は木炭と比べて収炭率が半分で、コストが約3倍かかり、燃料用としては採算がとれず、向いていません。 さらに、その竹炭の副産物である竹酢液はタール分が少なく、殺菌性は木酢液の数10倍あります。皮膚科専門医師の臨床例では竹酢液は乾燥性皮膚炎や慢性湿疹、疥癬などの皮膚疾患や、水虫、アトピー性皮膚炎などに効果があることが認められています。また医学専門誌で、糖尿病、慢性肝疾患やステロイドによる副作用の緩和例、便秘の改良、冷え症、更年期障害の症状の緩和などが報告されています。
◆里山の保全に役立っています 徳島県阿南市は全国有数のタケノコ産地です。近年中国、台湾、タイなどの国々から安価な缶詰やタケノコが大量に輸入されるようになり、この地場産業が深刻な影響を受けています。地元では缶詰用の需要は落ちこみ、早掘りタケノコだけになりつつあります。 採算のとれなくなった竹林のなかには、手入れもされないまま放置されるところが目立つようになりました。良質のタケノコを作るためには親竹の伐採をしなければなりません。しかし伐採した親竹の有効利用はこれまでなされてきませんでした。このままでは竹林そのものが崩壊してしまいます。 阿南竹炭生産組合、組合長・岡川雄洋氏は、もともと家業が竹材業でした。やはり東南アジアからの安い竹材や竹製品の影響を受けていました。そんなおり、京大の野村隆哉先生から竹炭が優れているということを学んだことをきっかけに、1995年5人の組合員で元牛舎を利用して竹炭作りを始められました。竹材利用のために親竹を伐採することにより、放置されていた竹林が保全され、さらには里山や地場産業を守ることができるようになったのです。県や市の協力も取付け、新しいJR阿南駅のモチーフに竹炭が利用されるほどになりました。 阿南竹炭生産組合のような本格的な生産体制は全国にあと数ヶ所あるくらいで、市販の竹炭の多くは、ここから出荷されています。
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■製造工程 昔ながらの炭焼き窯を改良した、粘土で作った土窯3基で白炭タイプの非常に品質の良い竹炭を生産しています。
@伐採…8〜12月に孟宗竹を切出します。 A調材…かさを減らすため竹を割り、コンパクトに結束します。 B気乾…乾燥させます。 C窯内竹材建入…土窯の中へ竹材を入れる。 D燻煙熱処理…200℃くらい。3〜5日。縦割れを防ぐため、水蒸気で飽和させながら。 E火入れ…熱分解。→竹酢液採取(80〜150℃の煙のみより)。その後、1年間静置させ、3層に分離して中間層をとる。 F炭化…60〜70時間。自発炭化。 G昇温加熱・精錬…空気量を増やし、温度を上昇。後半は大量の空気を導入することにより精錬(4〜5時間)を行う。800〜900℃。 H窯閉め I冷却…5日間 J窯出し K加工…平炭タイプと粒タイプへ
■竹炭の利用例 竹炭は、ときどきよく水洗いして、天日で乾かすと効果がよみがえります。使用期間の目安は毎日使用して3〜6ヶ月。ひとつの竹炭で用途の兼用をしないように。
●平炭タイプ ◎清涼感のあるおいしい水を作る 1.最初、汚れを流水でよく洗って5分間煮沸してください。 洗浄には洗剤を使ってはいけません。 2.水1リットルに対し、竹炭50g(3〜5片)が目安です。 3.なるべく長く浸けておきます。 4.カルキ臭も消え、まろやかなミネラル水になります。
◎炊飯に 洗った竹炭を2合に1片(20〜30g)程度入れて、ご飯を炊く。このとき上記の水を使用するのがよい。炊き上がり後も竹炭を入れたままにしておく。ジャーなどに保温しても、いやな臭いがしません。
◎天ぷら油に カラリと揚がります。
◎米びつの虫除けに
◎冷蔵庫の脱臭剤に 100g程度の竹炭を布や網袋に入れて置く。カビ防止、エチレンガスを吸着して、野菜の鮮度保持に。
◎金魚鉢に 水がきれいになり、魚に害虫がつきにくくなります。
◎部屋の脱臭、除湿に 食器棚、洋服ダンス、下駄箱、床の間、トイレ、押し入れ、車、犬小屋のまわりへ200〜300g置きます。湿気や臭いに。カビが生えにくくなります。
◎床下に シロアリ発生を抑制します。10kg/u敷き詰めます。こういう利用をされるときは10kg単位で扱いますので、特別注文をお受けします。
◎お花に 花瓶に1〜2片入れると、いやな臭いもせず、花がよく水を吸い上げ、活き活きします(花はお湯の中で湯切りするのがよい)。
●粒タイプ ◎お風呂に 1.使い始めは流水でよく洗う。もんではいけません。 2.水からでもお湯からでもかまいません。 3.身体がよく温まり、湯冷めしにくく、お肌がツルツルに。 浴槽に汚れがつきにくくなります。 4.竹酢液を30〜50cc加えてもよい。
◎園芸に 微生物の住処やミネラルの補給に。
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竹炭でも阿南竹炭のような土窯のものではなく、工業用製鉄炉や黒炭用の土窯でできた竹炭とは硬度、比重、精錬度など全く違うものです。 また備長炭もピンキリですが、それと比べても有害物質吸着能力やミネラル補給効果が大です。市販の木炭や木酢液の場合は白アリ退治に使ったヒ素剤がついている建築廃材からのものが安く売られており、問題です。
―文責 西川栄郎(オルター代表)―
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